7つの視点で考える購買業務を効率化するポイントとは?

 2020.01.28 

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購買部門・調達部門・資材部門(以下、購買部門で統一)は製造業において原材料や部品などの主資材と、備品などの副資材の購買活動を行います。品質が良く低コスト資材を必要なタイミング、適切な量と価格で仕入れることが生産性向上や利益拡大に大きく貢献します。「後方部隊」として軽視されていた時代もありましたが、生産基準となるQCD(品質・予算・納期)を十分に満たし、質の高い製品を安定的に供給するためには効率的な購買プロセスを構築し、戦略的な購買活動を行うことがとても大切です。

本記事では、購買業務を効率化するポイントを複数の視点で解説します。「購買業務の効率化=システム化」と捉えている方も多いでしょう。しかし、購買管理システム等を導入しただけでは効率化されない部分も多いため、本記事で解説するポイントにぜひご注目ください。

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7つの視点で考える購買業務の効率化

購買部門の使命は、生産計画に従って「必要なモノを必要な時に、適切な量と価格で仕入れる」ことです。この使命をいかにして達成できるかどうかを突き詰めて考えることが、購買業務の効率化へと繋がります。そのためには、購買業務にさまざまな視点を取り入れて既存の購買プロセスを見つめ直し、課題を洗い出して、解決に向けた施策を展開することが肝要となります。それでは、複数の視点で購買業務の効率化ポイントを解説します。

1. 購買業務方針を明確にする

企業には経営方針があり、セキュリティにはセキュリティポリシーがあり、製造には生産基準があるように、購買業務にも一定の方針が必要です。特に、内外作区分(自分たちで造るか、外注するか)に関する明確化はとても大切。原価構成の大きな部品は内製化し、それ以外は外注化するなどの方針を明確にした上で、資材ごとの内外作区分を明確にしておくだけでも購買業務は効率化されます。契約している仕入先が複数ある場合には、コスト対応と品質の良い仕入先に集中的に発注するなど、広い視野で購買業務方針を明確にすることで、購買プロセスの平準化にも繋がります。

2. 仕入情報の共有&可視化

購買部門に複数の担当者が存在すると、各人が管理している情報が共有されにくくなります。しかし、取引先の選定や価格比較等をスムーズにかつ確実に実行するためには、仕入情報を部門全体で共有し、可視化することが大切です。安い仕入先はどこか?迅速・柔軟に対応してくれる仕入先はどこか?社内外の製造負担はどうなっているか?などの情報を共有することで、QCDに与える影響を最小限に留めながら、利益に最大化に貢献できます。

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3. 「三方良し」の考え方

鎌倉時代から江戸・明治・大正・昭和にかけて活動した近江商人(近江の国〈滋賀県〉出身の商人)は、江戸時代中期に「買い手良し、売り手良し、世間良し」という「三方良し」の考え方で商売することを信条にしていました。これは当方の都合だけを考えて購買活動に取り組むのではなく、仕入先も取引に満足していなければ良い仕入は長続きしないという考え方に通じています。現代風に言い換えるならば、「仕入先・当方・買い手でWin-Win-Winの関係を結ぼう」というものです。近江商人はこの精神が根付いていたからこそ何世代にも渡って活躍しましたし、現代企業でも当てはまる精神ではないかと思います。

4. 仕入先と良好な関係の構築

仕入先に対して、「他に低コストかつ高品質な資材を購買できる仕入先があれば、いつでも乗り換えられる」といった考え方を持つのではなく、信頼できる仕入先と長く良好な関係の構築を目指すことは、利益拡大に寄与します。たとえば当方に業務改革のノウハウがあれば、仕入先の業務改革を支援することで相互のコストダウンに繋がり、ムダやロスの顕在化、業務改善などが達成できます。そうすることで、互いに信頼できるパートナーとして良好な取引関係が構築でき、時には戦略の共有や他社にはないような好待遇を受けられる可能性も大いにあります。

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5. 人とシステムの作業区分を分ける

業務のシステム化が進むにつれて、人とシステムが行う業務は複雑化しています。その中でいくつかの混乱が生じ、本来システムで可能なことを人がやっているといった光景は珍しくありません。購買部門全体で一元管理された情報をもとにして、仕入先選定や価格交渉などは人がやるべき業務ですが、各仕入先に提出する見積依頼書の作成や送付などはシステムを活用することで効率的に作業できます。情報収集、見積依頼など定型的な業務でシステムを活用し、交渉や判断が必要となる業務で人が介入することにより、人とシステムの強みを生かした効率的な購買業務フローを確立できます。

6. 副資材購入のシステム化

製造に直接的に必要になる資材を主資材といいます。一方、工具やマスク、その他諸々の備品はすべて副資材と呼びます。副資材は仕入点数が主資材よりも多い場合がありますし、種類も多岐に渡るため人の手で発注するのではなくシステム化が効果的です。受注をとりまとめたり、商品ごとに複数の仕入先に発注したりと手間はかかりますが、定型業務が多いのでシステム化の効果が出やすく、購買業務を効率化できる余地が多く残されています。

7. 製造・販売から情報がフィードバックされる仕組み

事業規模が大きくなるほど購買業務は複雑になっていきます。その際に大切なのが、購買部門内での情報共有はもちろん、後工程となる製造や販売からの情報がフィードバックされる仕組みです。販売部門からの情報をもとに需要を予測し、製造部門からの情報をもとに都度適切な購買計画を立てます。そうして購買から製造、製造から販売、そしれとは販売から製造、製造から購買という双方向の情報共有を実現することで、購買業務は更なる効率化にチャンスが与えられます。

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ERPによる購買業務効率化と生産最適化

いかがでしょうか?購買業務は単なるシステム化で対応するのではなく、上記のように複数の視点で効率化を考えることによって、現在の購買業務の課題をすべて洗い出し、解決に向けた施策を多数展開できます。ただし、購買業務効率化にシステム化が欠かせないことは言うまでもありません。

そこで検討していただきたいのが、ERP(Enterprise Resource Planning)による購買業務効率化と生産最適化です。ERPには購買管理を含め、生産管理、工程管理、販売管理、原価管理といった生産活動の全体最適化に欠かせないシステムが統合されています。これらのシステムは相互連携し、データをスムーズにやり取りできるため双方間の情報共有が可能であり、かつ購買部門内での情報共有も容易になります。

ERPがあれば仕入先選定や価格交渉などに関する情報を一元管理し、取引を有利に進められることはもちろん、仕入先と連携することで購買プロセスの効率化や長期的に良好な関係を築くことも可能です。また、財務会計や顧客管理などあらゆるシステムも統合されていることで、購買部門や生産活動だけでなく組織全体の業務プロセスが最適化されます。

購買業務効率化について考える際は、まずは本記事で解説した7つの視点を取り入れ、その後ERPなどによるシステム化に着手してみてください。

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