「販売業務」はどんな会社であろうと発生する業務ですので、これから販売管理システムを導入するという方も多いと思います。
しかし、難しいのが製品の選び方ですよね。一体どの製品を導入すればいいのか?と悩んでいるのではないでしょうか。今回そのような方々に向け、販売管理システムの選び方を“完全ガイド”していきたいと思います。
販売管理システムの役割
第一に理解しておきたいのが販売管理システムの役割であり、きちんと理解しているかしていないかでは正しい製品選定を大きく左右します。ですので、販売管理システムに関して「なんとなく知っている」という方は、ここで改めて役割を理解しておきましょう。
販売管理システムには主に以下のような役割があります。
業務効率化によるコストカット
販売管理システムではこれまで手動で行ってきた多くの業務をシステム化することができます。このため業務効率化につながり労働生産性が高まることで、全体的なコストカットを実現可能です。
データの正確性向上
販売管理業務をシステム化することで2重3重のデータ入力作業が発生しなくなり、データの正確性が向上します。
販売業務の標準化
これまでExcelなどで販売管理を行ってきた企業では業務の属人化を防ぐことが難しかったのではないでしょうか?しかし販売管理システムがあると業務が標準化され、万が一の自体にも備えることができます。
販売データの可視化
製品によってはシステムから生成されるデータをリアルタイムで可視化することができるので、経営上の意思決定が迅速化されます。
以上の役割を理解した上で自社の課題を考え、適切な製品を選んでいくことが重要です。
販売管理システムの選び方
それでは販売管理システムの選び方をステップごとに紹介していきます。少々長いですが、どうぞ最後まで読んでみてください。
ステップ1:システム導入の目的を明確化
販売管理システムを導入するということは、現状何かしらの課題を抱えているのは間違いないかと思います。そこで重要になるのが課題をもとにした目的の明確化です。
「何のためにシステムを導入するのか?」をしっかりと明確にすることで、自社にとって最適な製品選びがしやすくなります。
ここで一つ注意していただきたいのが、具体的な数値で目的を明確にすることです。
「業務効率化したい」という漠然的なものではなく、何をどれくらい改善したいのかというのを明確にすることが大切です。目的が明確であればあるほど正確な製品選定が実現するでしょう。
[RELATED_POSTS]ステップ2:機能要件の洗い出し
目的を明確化したら、次に機能要件を洗い出してください。つまり「設定した目的に対し必要な機能は何か?」を考えるということです。
まずは「こんな機能があったらいいな」「あんな機能があったら便利」という案をガンガン出し合ってください。この段階で販売責任者や現場社員を巻き込みましょう。システムを実際に導入するのは現場社員なので、積極的に意見を吸い上げてください。
そして案を出し切ったら、今度は必要のないと思う機能をバッサリと切り捨てていきます。
そうしていくうちに「これは絶対に必要だろう」という機能が自然と残っていきます。さらに掘り下げて考えていけば正確な機能要件が完成します。
シンプルな方法ではありますが、有効的な要件定義方法なので是非実践してください。
ステップ3:導入形態を選択する
機能要件を定義したら、次に導入形態を選択します。販売管理システムは「クラウド型」もしくは「オンプレミス」2つの選択肢があります。以下に両者の解説を行います。どちらも詳しく知っているという方は読み飛ばしてください。
クラウド型
クラウドを簡単に説明すると「インターネットを経由してシステムを利用するサービス」です。つまりユーザーはインターネット環境とPCさえあれば販売管理システムを利用できます。
クラウド型を利用するメリットはやはりシステム運用が必要ないことで業務効率化を促進したり、ランニングコストを削減できるということです。ですので情報システムがいない企業でも販売管理システムを難なく導入することができます。他にも導入コストがほぼかからなかったり外出先からでも利用できるなど様々なメリットがあります。
デメリットとしてはカスタマイズ性に欠けるという点でしょう。クラウド型は良くも悪くも機能が固定しているので、カスタマイズして独自の機能を実装することができません。ですので、先の要件定義で必要と判断した機能が使用できない可能性もあります。
ただ、制限がある中でも柔軟にカスタマイズできる製品もあるので要件に盛り込んでおくといいでしょう。
オンプレミス型
オンプレミス型はサーバ上にシステムをインストールすることで利用する環境を指します。
メリットはやはり柔軟なカスタマイズ性でしょう。要件定義に合わせて必要な機能を自由に実装させることが出来るので、自社オリジナルのシステムを構築することが出来ます。
デメリットは導入コストやランニングコストです。サーバ調達やシステム構築までの工数を考えると、導入だけでも数百万円のコストがかかります。また、保守運用に人的リソースを割かなければならず、ランニングコストも多大にかかってしまいます。
現在の主流はクラウド型であり、中小・大企業問わず多くの企業に選ばれています。
ステップ4:必要な機能を確認する
導入形態が決まればいよいよ製品選定に入りますが、まずは機能要件をもとにいくつかの製品をピックアップします。ここで注意していただきたいのは多機能に惑わされてはいけないことです。
機能が多いほど魅力的な製品に映るかもしれませんが、「良い製品」というのはあくまで自社の機能要件にマッチしている製品です。従って多機能には注目せず、あくまで自社に必要な機能を実装している製品を選んでください。
多機能は一見魅力的に映りますが、使用しない機能が多いほどシステムが煩雑化してしまうので操作の難易度が高まってしまいます。
ステップ5:システムを実際に利用してみる
いくつかの製品をピックアップしたら、次に行うのは無料トライアルでシステムを実際に利用してみることです。ユーザービリティ(使いやすさ)というのは非常に重要なポイントであり、ユーザーと相性の合わない製品の導入は逆効果になります。
しかし、機能要件をもとにピックアップしただけではユーザービリティまで判断することはできないでしょう。そこで無料トライアルを利用してシステムに触れてみることで、自社にとって使いやすい製品を判断することができます。
試用する際は販売管理責任者や社員を巻き込み現場ユーザーにとって使いやすいシステムを探ってください。
ステップ6:セキュリティの信頼性を確認する
無料トライアルを利用し使いやすい製品を選んだら、セキュリティの信頼性をしっかりと確認しましょう。サイバー攻撃が深刻化している昨今ではセキュリティが非常に重要です。
以下にいくつかのチェックポイントを紹介しておきます。
データ取り扱いについてきちんと明示されているか?
クラウド型販売管理システムを導入する場合、データはベンダーが保管することになります。そこで重要なのがどのようにしてデータを取り扱っているか?です。
取り扱いについて曖昧な説明がされているベンダーは避けるのが無難でしょう。
データセンターは安全か?
システムに関するサーバが稼働しているデータセンターでは、耐震など建築物に対するセキュリティからシステムに関するセキュリティまで多くの要件があります。データセンターが安全であるほで自社データを強力に守ってくれるので、データセンターの場所やセキュリティ性はしっかりと確認しておきましょう。
サーバの安定性は十分か?
サーバには稼働率というものがあり、安定してサーバが稼働しているかというポイントを指します。ですのでこの稼働率に関してもしっかりと着目しておきましょう。
ステップ7:料金を比較する
販売管理システムを導入する多くの企業では、導入初期段階で料金の比較を行います。しかし、それでは低コストな製品にばかり意識が向き適切な製品選定が難しくなってしまうのです。
ですので、料金比較はできるだけ優先度を下げていただきたいと思います。
また表面上の料金だけでなく「この製品でどこまでできるか?」という観点から費用対効果をしっかりと予測してください。100のコストで100のメリットがある製品よりも、150のコストで200のメリットがある製品の方がいいということです。
ステップ8:サポート体制を確認する
最後に、ベンダーがどのようなサポート体制を敷いているかを確認しましょう。特に販売管理システムを初めて導入するという企業では、確実に何かしらのトラブルが発生します。
このときベンダーが迅速にサポートしてくれなければ、その分業務に遅延をきたすことになるでしょう。
どの範囲までサポートしてくれるのか?24時間のサポートか?などなど、多角面からサポート体制を評価してください。
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まとめ
いかがでしょうか?長々と書きましたが、以上が販売管理システムの選び方です。きちんとポイントさえ押さえていれば、決して難しいものではありません。にも関わらず多くの企業が導入に失敗しているのは、目的が明確化できていないか不適切な製品を選んでしまっているかが原因です。
皆さんはしっかりとポイントを押さえ、ぜひ失敗しない販売管理システム導入を目指してください。
最後に、販売管理システムだけでなくその他のシステムに関しても一気通貫で導入したいという企業にはクラウドERPがおすすめです。導入コストを押さえつつ親和性100%で連携の取れたシステムを導入することで、販売管理システム単体よりも遥かに大きな業務効率化や意思決定の迅速化が実現します。
各システムの連携というニーズがある企業では、ぜひ検討してみてください。
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