グローバル時代を勝ち抜くためには、世界の多様性に対応した経営が実現されなければなりません。そこで当記事では、グローバル経営について解説するとともに、競争で勝つためのヒントや、基盤作りにおいて重要となるツールなどをご紹介します。
グローバル経営とは?
近年ではスマホの普及に伴い、単に情報を得るだけでなく、ショッピングやSNSなど多様なサービスを受ける目的でインターネットが利用されています。時間や場所を問わず、スマホ1つで誰でも世界中の情報にアクセスできるようになったため、日常的に触れる情報量も以前と比べて激増しました。
このことは、ビジネスにも大きく影響しています。日本に限らず多くの国でインターネット環境が整い、より情報を得やすくなったことで、海外進出のハードルが下がってきているのです。もちろん、これにはインターネットの普及が進んだことだけでなく、IT技術の向上に伴うツールの進歩なども関係しています。
とはいえ、企業の海外進出自体はできたとしても、それが成功に収まるとは限りません。日本とは異なる文化や言語、法律などへの対応が問題となり、最終的に撤退を選択する企業も少なくないのです。
そこで重要なのが、世界の多様性に適応した経営活動を行うことです。一般にこれを「グローバル経営」と呼び、海外進出を目指す企業にとって外せない要素とされています。
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昨今では、海外進出を目指す日本企業が続々と登場しており、企業間競争は激しさを増してしています。現地でも継続して企業経営を行うためには、このグローバル競争に勝ち抜かなければなりません。そこでポイントとなるのが、「管理運用のデジタル化」「経営ビジョンの見直し」「ガバナンスの強化・可視化」です。それぞれ以下で詳しく見ていきましょう。
これまで以上にデジタル化が重要
企業におけるデジタル化が推奨され始めたのは、何もここ最近のことではありません。しかしながら、日本では依然としてデジタル化が十分に進んでおらず、多くの企業において非効率的な業務や管理体制が続いている状況にあります。
これには費用面の問題や、ITに知見を持つ人材の不足なども影響していますが、大きな要因としては「デジタル化やツール導入という手法の発想ができていない」ことが挙げられます。それというのも、1つの拠点を少人数で運営している場合、そもそも問題が顕在化しにくいからです。
しかし、拠点を増やして海外現地法人とやり取りするような状況になれば、デジタル化の遅れはいずれ不都合を招きます。各拠点の情報を一元管理できず、データの扱いに無駄な労力を割かなければならなかったり、業務の重複を生じさせたりといった問題が起こりかねません。そのため、グローバル競争を勝ち抜くには、これまで以上にデジタル化を遂行させる必要があるのです。
具体的には、商品の企画・受注・生産・販売といった各プロセスにおける機能が、データによって一本化されるようなシステムを構築することが大切です。日本の強みである顧客対応力・技術力をさらに進化させたデジタルビジネスが構築できれば、グローバル企業にも引けを取らない競争力が実現できるでしょう。
明確な経営ビジョン
KPMGが2018年に行った「グローバルCEO調査2018」によると、「自社の経営モデルの抜本的な変革を率いていく準備は個人的にできているか」という質問に対し、「イエス」と回答した日本のCEOは47%にとどまっています。この数字は、調査対象国の中で最低の割合を示しており、日本企業における経営ビジョンの不明瞭さが見て取れます。
また「自社は、業界における技術革新のスピードへの対応に苦慮している」という質問に対して、日本のCEOの実に73%が「イエス」と回答しています。これらの回答から、日本企業の多くは短中期的な利益や成長に囚われがちで、リスクを取った先行投資ができていない傾向にあることがわかります。
しかし、グローバル時代においては、これまでのやり方とは違う経営戦略を立てる必要があります。そして、その戦略を遂行するうえでは、明確な経営ビジョンを示せていることが重要で、包括的かつ不明瞭なビジョン・数値目標では不十分です。グローバル展開において、企業が今後の業務や事業内容をどう変えていくのか、明確に示すよう努めなくてはなりません。
そうすることで、経営戦略の実現に臨む従業員もモチベーションが高まるでしょう。目の前のタスクだけでなく、企業がどこを目指しているのか、自分はそのために何をしているのかが理解できれば、生産性の向上につながります。
そのうえでベンダーと連携したり、M&Aを積極的に活用したりすべきでしょう。大きな変化を伴う場合、無理に自社で完結させようとすると、かえって効率を落としかねません。スタートアップ企業やベンチャー企業なども含め、デジタルに知見を持つ企業と協業しながら取り組むことがポイントです。
ガバナンスの強化と可視化
グローバル企業の多くが属人的で、本社のガバナンスが効かないといった問題を抱えています。具体的には、「現地法人のシステムが本社とは異なるため、本社から現地の状態を把握しづらい」「各エリアにおける個別の要件・法規制・言語への対応が難しい」などが挙げられます。
そこで、本社から現地法人の状態がモニタリングできるよう、可視化の仕組みを設けることが重要です。ERPなど、共通基盤として機能するようなツールの導入が、可視化の助けとなるでしょう。複数システムの運用などにかかっていたコストの削減も期待されますし、全拠点の業務を標準化することも可能です。
導入方法も1つではないため、自社に適した手法を模索する必要があります。例えば、本社のERPの利用を継続し、各拠点にはクラウド型ERPを導入するといった2層的なやり方などがあります。
「Oracle ERP Cloud(旧PBCS)」でグローバル基盤を強化
デジタル化を全拠点で進め、グローバルな基盤を強化することが大切です。これに資するツールが「Oracle ERP Cloud(旧PBCS)」です。これは、オラクル社が提供するERPシステムで、現地法人とのデータのやり取りや、統合した情報の分析などを容易に行えます。もちろん、各業務における効率向上などのメリットも期待できます。
ほかにも、各国で異なる会計基準や言語・通貨にも対応しており、グローバル競争をするうえで非常に役立ちます。データはクラウド上で一元管理できるうえ、高いセキュリティレベルも有しているため、安全に各拠点の情報をまとめられます。
さらに、柔軟なモジュールの組み合わせが可能で、自社に合わせて機能を取捨選択できるのも特徴です。そのため、企業規模を問わず最適なプランが組めるでしょう。
Oracle ERP Cloud導入で得られる効果
Oracle ERP Cloudを導入することで、「他システムやWebサービスとの連携によるプロセスの高速化」「業務間のデータでのやり取りが実現」「グループ全体の業務基準化の推進」「経営判断力の強化」「コストの削減」など、多くの効果が期待できます。
もちろん、これらの恩恵を受けるためには、適切な導入と運用が欠かせません。とりあえず導入したところで、期待するほどの効果は得られないでしょう。システム導入に向けた体制をきちんと整え、適切な導入・運用ができるように備えておくことが大切です。
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まとめ
グローバル競争で勝ち抜くためには、「管理運用のデジタル化」「経営ビジョンの見直し」「ガバナンスの強化・可視化」が鍵を握ります。特にデジタル化に関しては、もともと推奨されていましたが、海外と比べて日本における浸透率は未だに高いとはいえません。「Oracle ERP Cloud」などのシステムを導入し、グローバル競争にも耐えうる強固な基盤を作ることが大切です。
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