ビッグデータやデータサイエンティストなどのワードが注目されてからしばらく経ちますが、データ分析のニーズは日々高まっています。
事実IDC Japanの調査によると2015年のビッグデータテクノロジー/サービス市場規模は947億7,600万円と前年比32.3%増、2020年までには平均年間成長率25.0%で拡大していくと予測されています。
参考:国内ビッグデータテクノロジー/サービス市場予測を発表
こうしたデータ分析(特に売上分析)の目的とは何でしょうか?
一般的には"今までにない新しい知見を見出す”ということがデータ分析(特に売上分析)の目的と言われていますが、重要なのはその先にある"新しい知見から生まれるアクション”です。つまり、データ分析を行うだけでなくその後の行動が最も重要だと言えます。
従ってデータ分析を効率化し、常にスピーティに行うことで迅速なアクションへと繋げていくことがカギになるでしょう。今回はそんなデータ分析の効率化について紹介していきたいと思います。
データ分析効率化にやはり環境は必要か?
"データ分析を効率化して迅速なアクションへ繋げていく”という課題があった場合、ほとんどの方が分析ツールの導入を考えるかと思います。近年ではビジネスインテリジェンス(BI)※1も選択肢として豊富にあり、確かに効率化を考えるならば導入は必須と言えるでしょう。
しかしデータ分析効率化環境を整える上で大切なのは、分析ツールよりもまずは統合的なデータ管理環境を構築することです。
データ分析ツールを導入したとしても、データの収集・クレンジング・加工に時間がかかっていては導入効果が薄くなってしまいます。しかしデータが統合管理され、収集・クレンジング・加工がシステム化された環境であればオーバーヘッドになうことなく、データ分析ツールの効果を最大限に引き出すことができます。
※1:BIツールとは専門的な知識・スキルなしにデータ分析ができるよう設計されたシステム。
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クラウドERPとは組織に必要な基幹系システムを一気通貫で提供するソリューションであり、統合的な環境を提供します。各システムではシームレスな連携が取れており、全体から生成されるデータは一元管理されているので、データ分析効率化のための環境を整えることができるのです。
通常はクラウドERPに加えBIツールを組み合わせることで効率化環境が整いますが、最近ではBIツールを内包した製品も多いのでシステムの複雑化を防ぐこともできます。
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データ分析を効率化するためのポイント
統合的な環境を整えることは非常に重要ですが、それだけでデータ分析を効率化することはできません。やはり人的に効率化ポイントを押さえることも重要です。
データ分析のプロセスを"ゴールから”考える
データ分析はデータ収集→クレンジング→加工→可視化→アクションといったようなプロセスを踏み、ビジネスに活かしていきます。ここでは如何に最短距離でゴールするかが効率化できるかできないかの分かれ目です。
そのためにはスタートからプロセスを組んでいくのではなく、ゴールから逆算して考えることが必要です。
つまり、データ分析の目的を予め明確にした上で、可視化方法や対象データなどを絞り込んでいきます。データ分析のプロセスはスタートから組んでいくといくつにも枝分かれしていき、望んだゴールにたどり着くとは限りません。
それはそれで興味深い結果が得らえることもありますが、効率化するという点においてはやはりゴールから考えるのがベストなのです。
データ分析に慣れて作業スピードを上げる
単純な話ですがデータ分析スピードが上がれば、その分タイムロスも少なくなるので効率化に繋がります。そのためにはやはり経験値を積んでスピードを上げることです。
従って手元にデータがあればどんどん分析して実績を積んでいきましょう。ただし重視すべきはスピードではなく"正確性”です。データ分析は正確でなければどんなに効率化しても意味はありません。
スピードだけ求めて正確性に欠けては本末転倒であり、ビジネスに損失を生んでしまうリスクすらあります。ですので正確性を重視してコツコツと経験値を積んでいきましょう。スピードは後から付いてくるものです。
分析結果を見せすぎない
前述したようにデータ分析の目的とは「分析結果をいかにアクションへ活かすか?」です。このためアクションの決定まで行って初めてデータ分析が完了したと言えるでしょう。
一組織でマーケティングアクションを決めるときは稟議に通され、複数の決裁者のもと決定が下されると思います。言わば社内プレゼンを行う機会があると思うのですが、その際に分析結果を"見せすぎない”といことが大切です。
苦労して得た分析結果を全て伝え切りたいという気持ちは分かりますが、重要なのはプレゼンが通るか通らないか。そしてプレゼン内容がダイレクトに伝わるかどうかです。
つまり余計な分析結果を見せてしまうことで決裁者も混乱し、せっかく立案してアクションの魅力が十分に伝わらない可能性があります。ですのでしっかりと分析結果を取捨選択してプレゼンに臨んでください。
データに"アタリ”を付ける
ビッグデータの台頭により企業が取り扱うデータは量も種類も爆発的に増加しています。しかし、そのすべてを分析することはできません。というより、すべてを分析するのは明らかに非効率的です。
一つも目的を達成するためにあれもこれもと分析対象データをかき集めると、その分時間がかかってしまいます。これではせっかく環境を整えてデータ分析のポイントを押さえても意味がないので、データに"アタリ”を付けることが必要です。
目的に応じてある程度データに"アタリ”を付ければ、効率的にデータ分析を行うことができます。もちろんはずれることもありますが、データ分析の経験値を積むことで"アタリ”を付ける精度を高めていけるでしょう。
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エモーションマーケティングの精神を忘れずに
最後にデータ分析の注意点を一つ。データ分析ではロジックにプロセスを組み立て、分析という反復作業を行うことで新しい知見を見出していくものです。しかしそれ故に、機械的なマーケティングしか行えなくなるという危険性もあります。
ユーザーが商品やサービスを購入する場合、約9割は感情で決めていると言われています。つまりデータ分析をもとにしたマーケティングではユーザーのニーズを捉えても、感情までは掴めないことが多いのです。
だからこそユーザーの感情を第一に考えたエモーションマーケティングとのバランスが大切です。データ分析で新しい知見を発見しつつ、エモーションマーケティングを織り交ぜて次のアクションを決定していけば、効率的かつ効果の高い戦略を展開していくことができるでしょう。
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まとめ
いかがでしょうか?今回はデータ分析の効率化や環境について紹介しました。データ分析を取り入れたいものの、何から初めていいか分からないという企業も多いと思います。
そんなときは分析環境を整え形から入るのもいいでしょう。ただし、慎重かつ適切な導入が必要です。
クラウドERPなどで分析環境が整った際は、今回紹介した効率化のポイントをぜひ実践していたたければと思います。
- カテゴリ:
- データ分析/BI