DX推進における経営者の課題と推進施策

 2020.12.22 

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団塊の世代の多くが後期高齢者(75歳以上)に達することでさまざまな問題が生じると言われているのが、いわゆる「2025年問題」です。このような急速に変化する市場に対応し、ビジネス基盤を改めて見直して難しい時代を生き残る1つの方法が、DXを推進することです。この記事では、DXを推進するうえで経営者が抱える課題や、DXを実現するために知っておくべき施策について詳しく解説します。

DX推進における経営者の課題と推進施策

DX(デジタルトランスフォーメーション)とは

そもそもDXとは「デジタルトランスフォーメーション」を略したもので、簡単にいうと「デジタルによる変革」という意味です。IT技術の目覚ましい発達に伴い、デジタル技術分野では次々と新しい革新的な技術やサービスが登場しています。DXとは、それらの新しい技術を使ってこれまでにはなかった新たな製品やサービス、ビジネスモデルを生み出し、人々の生活をよりよいものにする変革のことです。従来のビジネスモデルや経営理念を現在の新しいテクノロジーに適応させ、デジタル技術を積極的に活用する取り組みのことを指しています。

DXを推進すると、コスト削減や生産性向上が実現するので、働き方改革の推進にもつながるでしょう。日本においては、2018年に経済産業省がDXを推進するためのガイドラインを発表し、国を挙げた取り組みが行われています。

日本においてのDX

日本におけるDXは、欧米諸国と比べると遅れているのが現状です。一例として、「Dell Technologies」による2020年のDXインデックスを見てみると、日本におけるデジタル後進企業の割合は23%です。一方、アメリカ合衆国は0%、イギリスやフランスは2%、ドイツは5%しかありません。また、デジタル導入企業の割合は、日本は15%ですが、アメリカ合衆国は42%、イギリスは32%、フランスは31%、ドイツは38%です。これらの数字から日本はDXの推進に関して大きく出遅れていることが読み取れます。

日本においてDXが進まない理由の1つに、IT投資に足踏みをしている企業が多いことが挙げられるでしょう。アナログベースのビジネス構造がすでにでき上がっていることや、コストがかかることなどから導入が進んでいないと考えられます。

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経営者が抱えるDXの課題

DXがなかなか浸透しない日本の現状をもう少し掘り下げて考えてみましょう。企業の経営者は、DX推進にあたって以下のような課題を抱えています。

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理解力の欠如

経営者が抱える課題の1つは、理解力の欠如です。経営層の多くはDXが必要であることは理解しているものの、組織構造を見直して刷新するまでには至っていません。これまで長期間慣れ親しんできたプラットフォームは現状の業務との依存性が高く、思い切った変革をしにくいというのが現状でしょう。最新のテクノロジーを取り入れるメリットが見えにくいと、大きな変革には取り組みにくいのです。

DXを単に「ITの見直し」と捉えて、現行のIT環境を改修するだけで落ち着いてしまう企業も多くあります。DXを推進するには、まず経営層がDXの必要性について正しい知識を持ち、IT分野で出遅れることへの危機感を抱いて積極的にコミットすることが欠かせません。

デジタル人材の不足

2つ目の課題は、ITリテラシーの高いデジタル人材が不足していることです。少子高齢化に伴う労働人口の減少は、日本における大きな社会問題の1つです。その中でもIT業界は、急拡大する市場や技術が変化するスピードに人手の確保が追いつかず、人材不足が深刻であるとされています。そのため、システムの開発や運用に関する知識を持った人材が少なく、各企業においてDXの推進を阻む障壁となっているのです。

日本では、社内にITエンジニアが在籍していないケースも多く、ベンダー企業に頼るのが一般的でした。社内システムの開発や運用、保守メンテンナンスなどをすべて外部企業に委託してきたのです。このいわゆる「丸投げ文化」が、社内でITに詳しい人材を育成するのを阻んできました。しかし、少子高齢化が進むと、社外においてもデジタル人材を確保するのはますます難しくなると予想されます。DXを推進しようとしても、既存システムの見直しや新しいシステムの導入に必要な知識やスキルを持った人材が社内にも社外にもいないために、なかなか手をつけられないという問題があるのです。

また、日本におけるデジタル人材の不足には、諸外国と比べて学校でのIT教育が遅れていることも背景にあると言われています。

既存システムの課題

3つ目の課題は、既存のITシステムです。ひと昔前に導入したシステムが老朽化し、時代遅れのレガシーシステムとなっているケースがよくあります。担当者の退職などによりプログラムを熟知する人がいなくなったり、マイナーチェンジを繰り返したりしたことが理由で、システムがブラックボックス化していることも珍しくありません。現行システムと新しいシステムとの連携が困難なケースや、現行システムに関する知識不足によって、見直しが進まないケースも見られます。

レガシーシステムの維持にコストがかさんでいて、新しいシステムにまで費用を回す余裕がない企業もあります。DXを進めるためには、この現状に切り込んで、既存システムを見直す積極的な「攻めのIT投資」をすることが不可欠です。

経営者が考えるべきDXの推進施策

では、経営者はDXを推進するために具体的にどのような施策を講じればよいのでしょうか。この段落では、企業にとって有効な施策と、実際に成功した事例を取り上げます。

クラウドERPの導入

DXを推進する1つの有効な施策は、クラウドERPの導入です。新型コロナウイルスの感染拡大や人材不足など先の見えない時代にある中、未来に対する明確な「解」がないことは明らかです。確実な将来を見越して計画を立てることが難しいため、仮説を立てたうえで、データを収集しながら柔軟に対応することが求められています。

そこで「DXの成功」を最終目標にするなら、グローバル統合型のクラウドERP(基幹系情報システム)の導入を軸に検討すべきでしょう。クラウドERPなら、プロジェクト管理や在庫管理などさまざまな情報をリアルタイムに把握して、時代に即したスピード経営を実践できます。とはいえ、いきなりERPを導入しようと思うと時間がかかってしまいます。まずは見える化を優先して、既存のシステムをそのままにしながらEPM(経営管理ソリューション)からスタートするのもよい方法です。

DXを成し遂げたオラクルの取り組み

クラウドERPを導入してDXを成し遂げた成功例が、日本オラクル株式会社(Oracle)です。オラクルでは、2013年にオンプレミスからクラウドERPへの移行プロジェクトをスタートさせました。シンプルなKPIによって目標と成果が明確化し、機敏かつ柔軟な経営への変革が実現しています。

2020年の新型コロナウイルスの感染拡大により推奨されたリモートワークへも、オラクルでは全従業員が業務にほぼ影響を受けることなく移行可能です。どこからでもアクセスして仕事ができるクラウドERPを活用した業務プロセスを、早くから実践していたからです。コロナ禍の中でも業務の大部分をテレワークで行い、年度末決算もリモートで対応しています。いち早くクラウドERPを導入し活用することで、ビジネスにおける不測の事態にもうまく対応したよい事例と言えるでしょう。

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まとめ

予測不可能な時代においても経済を成長させる1つのカギは、DXを推進させることです。人材不足や既存システムの老朽化など、DX導入を阻む要素をひとつずつ解決し、DXへの理解を社内に浸透させることが大切です。まずはグローバル統合型のクラウドERP導入を検討して、変化に負けない柔軟で強固なビジネスの基盤づくりを始めましょう。

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