企業が収益をアップするための重要部門として、新製品や新企画の開発に関係した部署が挙げられます。こういった部門では、企業の収益を向上するための売れる製品や企画の製作が行われています。しかし、必ずしも良い製品が生まれるとは限りません。
そこで行いたいのが、ERPなどのシステムを利用したアイデア管理です。本記事では、アイデア管理の重要性や活用例を解説していきます。
アイデア管理の重要性
企業で新製品開発、研究開発、設計などを行う場合、多くの場面で従業員のアイデアが重要になります。今までにない価値の創出やニーズにマッチした製品の生産がなければ、需要の変化に企業がついていくことが難しいためです。
しかし、企業にとって有益であるアイデアが必ず出るとも限りません。また、アイデアを頻繁に生み出す人材が一人だけいても、その従業員が退職してしまえば意味がありません。そこで行いたいのがアイデア管理です。
アイデア管理は、従業員が出した多くの案をデータとして蓄積して、チーム、部門、企業全体で共有するための手法・ツールです。これを活用すれば、直感に頼るしかなかったアイデア出しを体系化することができ、企業全体の想像力を高められます。
アイデア管理による企画管理プロセスの強化
新製品の開発では、ニーズにマッチしているかが重要です。顧客のニーズや市場のニーズを把握して、それを元に新しい製品を開発することで、収益力のある商品を市場に送り出せます。定期的に良い商品やサービスを開発するには、適切なアイデア管理によって体系化し、リアルタイム性の高い市場のデータとニーズを蓄積・共有しなければいけません。
また、開発・製造・営業といった異なる部門間でデータを連携してやり取りすることで、それぞれの有益なデータを生かすことが可能です。このようにアイデア管理によって各部門が相互に関わることで、自社の製品やサービスの向上につなげられます。
[RELATED_POSTS]アイデア管理の活用例
アイデア管理は、製品の企画やR&D領域、営業部門など、さまざまな領域で活用することが可能です。ここからは、アイデア管理をさまざまな部門に応用するための活用例を紹介します。
R&D領域における活用
R&D部門では、今までのサービス・製品とは異なる新しいアイデアの創出が求められます。このとき重要なのが、アイデアの数です。良いアイデアが1回で浮かぶこともありますが、ほとんどの場合は複数の案から選出して煮詰めたものが採用となります。そのため、数多く案出しを行なって、それらを管理することが重要となります。さらに出た案を部門全体で共有することで、新しい案の創出につなげることが可能です。
また、各研究テーマの進捗を見える化して、実際に投資効果がどれほどあるのかを可視化すれば、それぞれの優先順位がわかったうえでゴーサインが出せます。企業内では、事業部ごとに研究テーマがあるため、これらの情報を一元的に管理できれば意思決定への利用もできます。
製品企画領域における活用
製品企画部門では、自社や協業他社で新技術を共有し、市場や顧客のニーズを掴んで、それに合わせたターゲッティングとポジショニングが重要です。ニーズの予測はリアルタイムな情報の取得と蓄積が必要ですが、これらもアイデア管理の一部に入ります。そして、情報の取得と蓄積を適切に行い、活用することで売れる新製品の開発につなげられます。
また、実際に開発プロセスに入り量産のタイミングになった段階で、手戻りが発生することがあります。これは予期していなかった設計変更などが原因です。このような問題を起こさないためには、開発の段階で要求されている事項を徹底的に洗い出して実現漏れを防ぐことが重要です。
設計開発領域における活用
設計開発の段階では、品質向上を図るために設計・試作・量産の各工程で不具合が出ないようにしなければいけません。しかし、開発の工程を毎回完璧に行うことは難しく、場合によっては不具合が発生するのも仕方がないことだと言えます。このとき、企業がどのような対応をするかが不具合を減らせる鍵となります。
不具合が発生したときは対策を練って解決します。解決後は不具合の発生をなかったことにせず、原因の究明と再発の防止が必要です。そして、こうした情報はデータとして蓄積し、全体で共有をしなければいけません。こうした問題を管理してノウハウを蓄積することで、品質と生産性向上に寄与します。
営業活動における活用
営業活動においては、どのようにして顧客に商品を売り込むかが重要です。このとき、顧客ロイヤリティと顧客との信頼関係を把握することは必須となります。そのためには、顧客からのフィードバック情報を収集して、全体像を掴まなくてはなりません。
顧客から入手した情報は、営業がアプローチをかけるために必要な情報なので蓄積しましょう。そして、リアルタイム性のあるフィードバックを全体で共有することで、チームとしての営業力向上につながり、社内コミュニケーションの活性化や次期製品の開発にも寄与します。
製造・組み立て現場の効率化における活用
製造や組み立ての現場では、不具合を改善するためにフロントローディングを取り入れます。フロントローディングでは、不具合の出る可能性のある箇所や効率化のための話し合いを事前に行います。そして、会議によって出た案の蓄積と部門全体への共有をすることで、下流工程でも問題点を理解することが可能です。
また、現場の問題は改善要望としてまとめます。改善案は、実施した際の費用対効果を算出して優先順位をつけることで、本当に必要な対策が浮かび上がります。
IT部門における活用
IT部門では、新規システムの導入案や既存システムの改善案において、蓄積と共有を行うことで、実際に必要なシステムの選定や改善に役立てられます。
ソフトウェア開発において、実現可否の判断はとても重要です。終盤のフェーズで実現ができないことが発覚してしまうと、大きな損害となるからです。この問題に対処するためには、要求項目の洗い出しと管理が必要となります。開発に必要な項目を洗い出して、抜け漏れがないように管理する必要があります。これらのデータを適切に管理してノウハウとして蓄積すれば、後々に問題があった際も対応策として役立てることが可能です。
アイデア管理におすすめな製品は?
アイデア管理の効率化には、Oracle Cloud ERPの「Innovation Management」がおすすめです。この製品には、主に以下のような機能が備わっています。
- ポートフォリオ管理
- プロセス可視化
- 収益とリスクの管理
- プロジェクト管理
Innovation Managementでは、製品開発において、複数ある企画から商品化できる案を選別し、それぞれ人員とリソースパターンをシミュレーションして割り当てることが可能です。これにより一番効率のよい配置を、素早く効果的に行えます。さらに開発部門、製造部門、営業・販売促進部とのデータ連携や新製品開発のプロセス可視化ができます。
またInnovation Managementは、事業や地域に関係なくさまざまな企業が利用できる柔軟性の高いERPシステムとなっています。段階的な拡張が可能なため、事業を中断することなく新しいシステムに移行することができます。システムは、四半期に一度新しい技術を採用しており、自動化技術の範囲拡張が可能です。今後すぐに違うシステムに移行する心配もなく、長い目で利用できるでしょう。
まとめ
アイデア管理には、新製品のアイデア出しを体系化して、企業全体の想像力を高める効果があります。さらに生産性の向上や、コスト削減といったさまざまな効果が得られます。
Oracleでは、こうした多くのメリットがあるアイデア管理を統合的に行える「Innovation Management」を提供しています。このソリューションは、上述したような利点に加えて、拡張性が高く段階的な導入が可能なシステムとなっています。
そのため、部門ごとに徐々に導入していき、その企業に合ったペースでDXを行うことも可能です。また、クラウドサービスなので、低コストで素早く導入できます。アイデア管理を行うなら、ぜひご検討ください。
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