業務改善プロジェクトの進め方

 2019.06.20 

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海外では“KAIZEN”という言葉で、日本企業で長らく改良されてきた“業務改善”が浸透しています。しかしながら、日本企業であっても業務改善に苦戦しているところは多いようです。

また「業務改善プロジェクトは大規模なものだ」「業務コンサルタントに依頼しないと実現しないのでコストがかかる」といった固定概念によって、業務改善プロジェクトのスタートを躊躇している企業も珍しくないでしょう。

もちろんこれは大きな誤解です。業務改善プロジェクトは決して大規模なものにする必要性はありませんし、業務コンサルタントも不要です。企業独自に業務改善プロジェクトに取り組むことで立派な成果を得ている企業は多数存在します。

大切なのは、業務改善プロジェクトを正しく進めるためのポイントを押さえることです。本稿ではそのポイントについてご紹介しますので、ぜひこれからの業務改善に活かしていただきたいと思います。

Point①業務の洗い出しを行う

業務改善プロジェクトを実施するにあたり、「何から取り組めばよいのだろう…」とスタートラインで足踏みしてしまう企業も多いでしょう。そこでまずは、“業務の洗い出し”から取り組んでみましょう。

一口に“業務改善”といっても様々なケースがあります。ごく一部の作業だけの改善を行う場合もあれば、業務プロセス全体にわたった改善を実施する場合もあります。いずれの場合でもまず大切なのが業務や作業の洗い出しを行って、改めて改善に取り組むべき業務や作業について認識することです。

業務改善プロジェクトに取り組む関係者全員で、対象となる業務や作業をしっかりと共有することで、プロジェクトを円滑に進めることができます。

Point②プロジェクトの責任を明確にする

統一された業務改善プロジェクトへ取り組むためには、プロジェクトチームを発足し、プロジェクト推進を担う責任者やリーダーの選出が必要になります。責任の所在が曖昧になり、一貫性の無いプロジェクトでは目指す方向性が定まらず、目標達成に向けて最短距離を進むことができません。

また、プロジェクトチームメンバー各人が持つ責任についてもハッキリとさせることによって、業務改善に対するモチベーション向上を促すことができます。

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Point③モデル図を作成する

業務や作業に隠れている問題を発見するための前準備として、業務改善対象となる業務範囲の“モデル図”を作成してみましょう。“業務フロー図”と表現すると分かりやすいかと思います。

主な手法としてはBPMN(Business Process Model and Notation)という規格を使用することです。BPMNは世界標準にもなっている業務フロー図作成のルールをまとめたものであり、簡易的な図を作成するのに特別な知識・スキルは不要です。

統一された規格で業務フロー図を作成することによって、関係者間での認識のズレを防ぐことができます。

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Point④現場ヒアリングを行う

いよいよ業務改善に向けた問題発見を行います。最も有効的なのが、実際に業務・作業を遂行している現場にヒアリングを実施することです。下記6つの視点から質問を作成して、現場で起きている問題について明確にしていきましょう。

  1. 業務・作業のルールがハッキリしないせいで停滞・遅延している問題はないか
  2. 本来業務ではなく代行業務を担っている認識からくる問題はないか
  3. 個人の経験・知識・技術に依存している問題はないか(属人化の問題)
  4. 会社の習慣・伝統によって生じている問題はないか(業務の非効率性など)
  5. 人手で実施するには限界がきている業務の問題はないか
  6. 部門間の連携がスムーズの行われていないことで起きている問題はないか

問題を発見したら、「なぜ問題が発生しているのか?」という視点で原因を考えます。

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Point⑤優先度に応じた解決のアイディアを出す

問題の発見と原因の特定が完了したら、各問題に解決の優先度を付けます。問題によってはすぐに改善に取り組めないケースもありますし、実施効果が低いものもあります。さらに、優先度に応じた解決のアイディアを出していきましょう。

アイディア出しでは“ブレインストーミング”でどんどんアイディアを出していき、その中から実施効果の高い施策をピックアップしていきます。

Point⑥さまざまなケースを想定する

業務改善プロジェクトを進めていると、予期せぬリスクによってプロジェクトが円滑に進まないことがあります。そうした事態でも素早く対応することが、業務改善プロジェクトを成功させるポイントです。

従って、常に様々なケースを想定してそれぞれに応じたシナリオを作成しておきます。

Point⑦実施効果の高い施策から行う

業務改善プロジェクトはまずスモールスタートを切ることが大切です。加えて、実施効果の高い問題から取り組むことで、業務改善に関するノウハウを積み上げていくのが大きなポイントになります。一般的には60日~90日で取り組める改善を実施してみましょう。

Point⑧関連プロセスを同時に改善する

業務改善プロジェクトにおいて、現在取り組んでいる改善活動に関しては、関連するプロセスに同時に改善を加えていくことが大切です。業務プロセスは組織全体をまたがり複雑に絡み合っているので、特定の業務プロセスのみを改善しても、関連プロセスに問題があれば取り組みに失敗することもあります。

Point⑨施策効果の測定と要因分析を行う

実施した改善施策に関しては、効果測定と要因分析を必ず行いましょう。なぜ成功したのか?なぜ失敗したのか?の要因を考えることで、次の改善活動や他の業務・作業へノウハウを適用することもできます。

Point⑩分析結果から新しい解決のアイディアを出す

分析結果は必ず次の改善活動に活かしましょう。業務改善プロジェクトを成功だと判断しても、改善の余地がないわけではありません。従って、常に改善するという意識を持ち、新しい解決のアイディアをどんどん打ち出していきましょう。

Point⑪定期的な進捗報告会を行う

業務改善プロジェクトでは定期的な進捗報告会を行い、関係者全員でプロジェクトの進捗やタスク完了率などを共有します。また、実際に現場で改善活動を目の当たりにしている責任者を巻き込むことで、組織全体で業務改善に取り組む姿勢を作ることができます。

Point⑫PDCAサイクルを回す

最後に大切なのは、これらのポイントを繰り返して業務改善プロジェクトを持続的に進めていくことで、要するに“PDCAサイクル”を回して、改善活動を続けていきます。業務改善プロジェクトを1度で終わらせても施策効果は最大化しません。持続的に続けてこそ大きな効果を発揮するので、ぜひ以上のポイントをもって業務改善プロジェクトに取り組んでみてください。

業務のベストプラクティスのためにERPの導入を検討する

業務プロセスを改善する手法の一つとしてERPの導入があります。例えばクラウドERPであるOracle NetSuiteOracle ERP Cloudなどは、世界各国のあらゆる業種に対応した業務プロセスを内包しています。これらの業務プロセスを適用することで自然とプロセスの改善を行うことも可能になるのです。一度、内容を確認して検討してみてはいかがでしょうか。

NetSuiteプロジェクト管理

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