グローバルシステムの導入ポイントを理解されていますでしょうか。導入したいと思っているグローバルシステムがある場合はその事例や失敗しない方法を熟知しておくことが肝要です。コストをかけて導入してもその後のプロセスによって成否が別れてくるのは間違いありません。
今回はおすすめのグローバルシステムやその導入の手順、グローバルシステム導入において成功させるポイントについて詳細に解説します。
グローバルシステムならクラウドERPがおすすめ
グローバルシステムとはその名の通り、広範囲のシステムと直訳できますが、IT分野では「系全体の」というニュアンスで用いられることが多いです。近年おすすめできるグローバルシステムはクラウド型のERPシステムでしょう。オンプレミス型は運用・保守などが必要なことに比べ、クラウドERPサービスはコスト削減にもつながります。ERP選定のポイント
クラウドERPを選定するにあたって幾つかのポイントが存在しています。- カスタマイズの自由度とアドオンの幅
- コスト面のチェック
- 操作性の良さやそのレベル
- 不要な機能の削除
- セキュリティ周りの充実度
- 納入までの期間
- サポート体制の充実
これらのポイントを満たすようなERPシステムの導入を目指すのが良いでしょう。すべてがポイントではありますが、特に重要なのはカスタマイズの自由とアドオンの幅、操作の良さやそのレベル、そして、セキュリティ周りの充実度については注視する必要があります。
カスタマイズの自由度が低いシステムは業務の問題解決ができません。
また、操作性が悪ければすべての人材が使いこなせないことが考えられます。セキュリティの問題は特に大切ですので、情報漏洩などが起きないようなセキュリティがしっかりしたものを選択しましょう。
[RELATED_POSTS]失敗しないグローバルシステム導入の手順
グローバルシステムの導入を決めたら、失敗しないために計画を立てなければなりません。その手順を大きく7つに分けました。段階的に解説していきます。手順1:導入へ向けての体制作りを整える
導入するにあたって、大切なのは各部署が一丸になることです。システムを導入するから情報システムがすべてをこなすわけではありません。利用する部署すべての人材が対象者であり当事者なのです。そのためには各部署から業務要件に詳しい担当者を選出することがはじめに行うべきことです。つまりプロジェクトとしての立ち上げを行い、各部署の抱えている要件を熟知している人材が集まることで、本当に必要としているERPシステムがなんなのかを見出すことからはじめる必要があると言えるでしょう。
そのために、導入に向けての一環として、部署からプロジェクトに関わる人材を集めることで体制作りを整えることが重要なのです。
手順2:導入理由の明確化
導入するにも工数やコストがかかります。当然無料ではなく、企業は効率化のために予算を与えているのです。そのために導入理由が曖昧では最大限の効果を上げることにつながりません。導入理由を明確化することは、課題などの解決や、理由に沿ったERPの選定が必要になるためです。理由が明確化されていることによって、導入後に必ずなにかしらの影響がもたらされます。その理由が曖昧では、コストをかけて導入を行っても、目的を達成することができなくなります。
最も恐れるべきはERPシステムを導入して効率化が計られると期待しているなかで、現場の仕事が増えてしまうことです。ERPシステムはあくまで目的を実現するためのツールであり、合理化を進めるために導入するべきものです。明確な理由をもつことが重要であると言えるでしょう。
手順3:各部署へのヒアリング
各部署にヒアリングすることを忘れてはいけません、プロジェクトのグループには担当者がいますが、担当者すべてが各部署の問題点や課題を理解しているとは限らないからです。つまり、すべての部署ごとに再度ヒアリングを行い、業務の洗い出しや課題を行うことが重要な手順と言えるでしょう。ヒアリングを行うことによって、ERP選定に対して必要な情報をリスト化することや、整理することが可能になります。この手順を疎かにすると、ERPのパッケージですべてが網羅できていると勘違いすることになります。実態として、ERPのパッケージで対応できるもの、対応できないものをより分けるために、ヒアリングが必要であると言えます。
ヒアリングを行うことで、課題や必要性、優先度などについて詳細に検討することが可能になるのです。
手順4:ERP製品選定とベンダー契約
ERPの製品を選定するにあたっては以下のような選定ポイントがあります。- Webなどで情報収集を行い、候補を絞る
- 自社の要求事項をまとめた提案依頼書を作成・発行する
- ベンダーによるプレゼンテーションにより決定する
まずは情報収集を行いERPの製品選定を行う必要があります。競合するERPのシステムを理解することで、自社の要求とマッチしそうなベンダーを探さねばなりません。次にRequest For Proposal と呼ばれる提案依頼書を発行します。この資料で最も重要なのは「業務の要件・システムの要件」です。これを元にベンダーは提案するERP製品が活躍できる部分と、追加開発が必要な部分を見出すことが可能となるのです。
最終的に、ベンダーからプレゼンテーションをしてもらいますが、すべてのベンダーからのプレゼンテーションは難しいため、提案の段階で絞り込みをかけて、決定しましょう。
手順5:ミーティングやマニュアルの作成
ERP製品を導入する目処が立ったら、導入に向けてのミーティングやマニュアルの作成が必要になってきます。これはスケジュールの調整も兼ねているためです。例えば導入したシステムに対して業務要件と実現方法が揃っていてもはじめて触れるシステムを使いこなせる人はいません。また、カスタマイズやアドオンなどの実現方法が希望に添っているのかを確認する必要もあります。
会社のトップだけではなく、現場の関係者にも参加してもらうことで導入までの流れや、導入する製品やカスタマイズ・アドオンについてのマニュアルの作成、懸案などを解消していくことが重要でしょう。
手順6:ベンダーによる開発とテスト
ベンダーは要件が固まるとシステムの設計や開発を行います。それによって製品を最終的な理想系へと近づけていくのです。例えば、カスタマイズやアドオンの機能をはじめ、既存のシステムなどと連携するためのインターフェースが必要な場合も開発を行います。設計と開発が終了したら、ベンダーはテストを行わなければなりません。ここで設計に沿ったテストが十分に行われなければ導入時に問題が発生するため、単体テスト・結合テスト・総合テストの順に規模を大きくしながらバグがないか、動作が正常であるかをチェックしていきます。
会社の規模によっては、アクセスが集中した際の負荷テストを行うなどして、機能が十分に役目を果たすことを検証するのです。
手順7:リリースと運用・効果検証
リリースが行われると、まずは実際に運用を行い、問題がないかを確認しなければなりません。リリースされた製品に全くバグがないかと言うとそうではありません。突如として障害は発生し得るため、リリース後には製品が安定して稼働することが確認できるまで、ベンダーのサポートを受けながら運用を行う必要があります。最終的な問題はリリースされた製品が導入目的をクリアしているかです。ここまでかかった人的・費用コストやそもそもの導入目的がクリアされていることが最も重要な項目と言えるでしょう。この目的をクリアしているか検証し、評価することまでがグローバルシステム導入の大きな節目となります。
グローバルシステム導入を成功させる3つのポイント
グローバルシステムは海外ビジネスを含むことを忘れてはいけません。海外でも役に立つためのグローバルシステム導入を成功させるポイントを3つ紹介します。1:国内業務に合わせて機能追加開発をしない
海外拠点を視野に入れた導入の場合には以下のことに気をつけなければなりません。
- 消費税の計算
- 各国の商習慣や法制度に対応させる
- コード体系の統一
消費税の計算など、日本国内の常識と各国の常識は違いがあります。例えば法律や商習慣などにも違いがあり、国内のことに合わせて機能の追加開発を行うだけではグローバルな展開はできません。海外に展開するにしてもコード体系の統一を行うなど、考慮するべき事項は計り知れないほど存在しています。
2:余裕をもってスケジュールを立てる
導入理由の決議や、製品選定は多大な時間がかかりますので、余裕をもったスケジュール構成をしなければなりません。また、従業員全員が研修を受講することなどを考慮すると、スケジュールは導入の線だけではなく、導入後からリリースまでの間に研修の期間を入れて、従来のシステムからの切り替えまでに十分な時間を設定しスケジュールを決めなければなりません。そのためにも短期的なスケジュールを立てるのではなく、長期的な余裕をもったスケジューリングを行う必要があると言えるでしょう。
3:海外に強いERPを選ぶ
グローバルシステムを導入するわけですから、国内だけに留まっているERP製品を検討することはリスクが高いと言えます。これは未熟なノウハウでグローバルシステムを展開されることで、問題が積算することや十分なサポート体制が得られないという問題があるためです。実績がある企業をしっかりと選定することによって、グローバル展開を確実に行うこと、そして拡張性の高い製品を選ぶことでグローバル展開に強いERP選定が可能になると言えるでしょう。
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グローバル標準のクラウドERPなら導入がスムーズ
グローバル標準のクラウドERPは、サーバー維持、運用人材のコストがかからないことなどから、比較的低コストかつ非常に短期間で導入できるのが魅力です。これは海外展開時にも言えることで、インターネットを通じてサービスが提供されることで、海外展開をする段階で準備するべきはサーバーなどではなくPCやインターネットの環境なのです。このようなグローバルなERPとして標準的なシステムは「Oracle ERP Cloud」がおすすめです。Oracle社はグローバル展開にも非常に強く、グローバル標準のクラウドERPとしてすでに確立したノウハウをもっています。培われた経験や知見を元に、コストを抑えながら導入することが可能となっているのです。
まとめ
グローバルシステムにはクラウドERPがおすすめであることから、失敗しないグローバルシステム導入の手順、そして導入を成功させるポイントについて解説しました。
グローバルシステムを導入するにあたっては、クラウドでのシステム提供が非常に効率よく、コスト面・環境面でも優れていると言えます。
また、Oracle ERP Cloudのようなクラウド標準のサービスなどがあることなど、様々な観点からクラウドERPを利用した、スムーズな導入を検討することをおすすめします。
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- グローバル経営