失敗しないECサイト構築手順

 2018.01.18 

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数年前までは一つの販売経路として捉えられていたECサイト。今では、ビジネスの中心として多くの企業の経営を支えています。例えば、ユニクロやGUなどファストファッションブランドを中心に展開するファーストリテイリング社は、2015年10月の決算説明会で「現在約5%のEC売り上げを将来的には30~50%に拡大する」とコメントしています。

参考:ネットショップ担当者フォーラム「ファーストリテイリング、EC売上の割合を30~50%に拡大へ。「3~5年で実現したい」

ECサイトをビジネスの中心として捉え、ECサイト視点の経営が必要な時代は、すでに始まっていると言えましょう。

そんな中、これからECサイトを構築し、ビジネスを展開していこうという企業は多いかと思います。ただし焦りは禁物です。ECサイト事業で成功する企業もあれば、それと同等くらいに失敗している企業もあります。

そこで今回は、失敗しないECサイト構築の手順を紹介します。現在ECサイト構築を検討しているという企業は、ぜひ参考にしてください。

大まかな手順について

まずは大まかな手順を紹介します。ここで紹介する手順は全部で8ステップ。細分化すればさらに多くの手順があります。ただし、まず大切なことは大まかな流れを理解して、自社のECサイトに手順漏れなどがないかを確認することです。

皆さんのECサイト構築は、次の手順に従っているでしょうか?

  1. コンセプトの基本設計
  2. 機能要件などの定義
  3. 導入製品の決定
  4. 画面設計(ワイヤーフレーム)の作成
  5. デザイン決定
  6. コーディング
  7. 商品登録作業
  8. 公開前テスト

各手順の概要とポイント

1.コンセプトの基本設計

コンセプトの基本設計というのは、ECサイトを通じて「何を」「誰に」「どのように」販売したいかを決めることです。かなり基本的な手順ではあるものの、実は忘れられがちな手順でもあります。

「何を」はどんな商品を。「誰に」はどんなターゲットに。「どのように」はどんなECサイトで販売するかを指します。

ここで一番重要なのは、販売ターゲットを決める「誰に」という部分です。ターゲットが決まっているか否かでは、どんなECサイトにすべきかが大きく違います。単純に考えて、男性をターゲットとしたECサイトか、女性をターゲットとしたECサイトかではサイトデザインなどあらゆる部分が変わるように、ターゲットごとに細かい設計が必要です。

こうしたコンセプトの基本設計を行うことは、今後のECサイト構築において一つの指針を作ることになります。

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2.機能要件などの定義

コンセプトの次は要件定義に移ります。要件とは主に機能要件のことで、ECサイトにどんな機能を求めるかを決めることです。この手順で注意すべきことは、不要な機能を要件に盛り込まないことです。

ECサイトというのはいわばWeb上の店舗であり、機能はサービスの部分にあたります。例えば実店舗にて必要以上に接客をしてくるスタッフがいた場合、皆さんは「面倒だな」や「静かに買い物がしたい」と思ったことはないでしょうか?

ECサイトで言えば、こうした面倒なスタッフは「必要以上に盛り込まれた機能」にあたります。たくさん機能を追加したところで、必ずしもそれが消費者にとって使いやすいとは限りません。むしろ、機能が多すぎることでECサイト利用にうんざりしてしまう方が大半でしょう。

これは顧客満足度やリピート率アップに繋がる大切なポイントです。

3.導入製品の決定

要件定義が固まれば、いよいよ製品選定に入ります。フルスクラッチ開発でもない限り、パッケージ製品かオープンソースソフトウェアのECサイト構築システムを導入したり、クラウドサービス型ECサイトを契約することになるでしょう。

そのため、製品選定はECサイト構築の生命線と言えます。

大切なことは、先に固めて要件定義に従って厳格に選定していくことです。様々なECサイト構築システムに触れてみると、たくさんの機能を有している製品を目にします。そうした製品は一見魅力的ではあります。しかし、先述の通り必ずしも多機能が良いわけではありません。

正しい製品選定を行うためにも、要件定義に沿ってコンパクトにまとまった製品を選びましょう。

4.画面設計(ワイヤーフレーム)の作成

ワイヤーフレームというのはECサイトの「どこに」「何を」配置するかという、ラフデザインのようなものです。これをもとにECサイトを構築していくわけです。ただし、導入した製品がすべてのデザイン要件をかなえるわけではないでしょう。

そのため、導入製品には何ができて何ができないのかを明確に把握した上で、ワイヤーフレームの作成を進めましょう。

5.デザイン決定

作成したいくつかのワイヤーフレームの中から、構築するECサイトとして最も優れているデザインを決定します。ここでは、最初に作成したコンセプトの基本設計をもとに、それに沿ったデザインかどうかを確認した上で決定しましょう。

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6.コーディング

デザインが決定したらいよいよコーディングによって、ECサイトの機能やデザインを実装していきます。ただし、多くのECサイト構築システムの場合、このコーディング作業を削減できるでしょう。

特にクラウドサービス型ECサイトの場合、一切のコーディングなしでECサイトを構築できる製品もあります。ただし、そうした製品のほとんどはデザインや機能が限定的なので注意が必要です。

コーディングにおいて最も大切なことは「脆弱性を作らない」です。脆弱性とはセキュリティ上の弱点であり、この弱点が露呈した状態ではすぐにサイバー攻撃の被害に遭ってしまいます。

脆弱性を完全に無くすことは難しくとも、極力セキュリティに気を使ったコーディングを心がけましょう。

7.商品登録作業

コーディングが完了しECサイトが形になったら、商品を登録していきます。ただし、それ以前に各商品のコード管理を徹底し、商品登録を簡素化します。企業によってはICタグを使用して、店舗在庫との統一管理を実現したいケースもあるでしょう。そうした場合も、事前のコード管理を徹底しましょう。

8.公開前テスト

公開直前になったら、ECサイトが問題なく動作することをテストしましょう。使用するブラウザやOSによって動作に違いが生じないか、レスポンシブデザイン(パソコンとスマートフォンで同一デザイン)を採用している場合は、パソコンでもスマートフォンでも問題なく動作するかなどを確認します。

欲を言えば、この段階で脆弱性診断などを行って、ECサイトのセキュリティを再度確認しましょう。

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まとめ

目指すべきECサイトは異なっても、ECサイト構築の流れはほとんど変わりません。ですので、今後ECサイト構築を検討している場合は、ここで紹介したECサイト構築の手順を参考に、失敗のない構築を目指していただきたいと思います。

最近では越境ECなども盛んになっているので、数年後はどんな企業もECサイトを構築して当たり前の時代が到来するでしょう。そうした時代に対応するためにも、ビジネスの中心に成り得るECサイトを構築しましょう。

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