オープンソースとして提供されているCRMは、社内に技術力があればライセンスコストが無料で利用でき、かつ顧客関係を管理するのに必要な機能が揃ったソフトウェアです。
オープンソースCRMは有料製品に比べて機能面で劣っているというイメージを持たれがちですが最近では有償に匹敵するほどの機能を提供するものも少なくありません。コミュニティが活発なオープンソースCRMは定期的に改良が加えられており、大手CRMベンダーが提供するような機能を構築することも可能です
もちろん、有料製品に比べてセキュリティ面などに気を付けなければならないなどの要件はありますが、ライセンスコストを削減できることで経済面を圧迫しないまま高度なCRMを実現できます。
本稿では、そんなオープンソースCRMをご紹介します。
オープンソースCRM 5選
1.CiviCRM
非営利団体での利用を前提としているオープンソースCRMなので、顧客との関係を管理するというよりは名簿管理システム寄りの機能を備えています。CiviCRMの特徴は国際的な開発コミュニティにより、多言語・多通貨に対応している点でしょう。営利団体でもグローバル展開の際の、情報共有基盤として活用できます。ただし、他のオープンソースCRMと比較すると、コミュニティ上での情報交換があまり活発ではないため、導入・運用にあたり苦戦するシーンも多いかもしれません。
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2.F-Revo CRM
Vtiger CRMをベースに日本企業の商習慣に合わせて、シンキングリード株式会社が独自カスタマイズを加えたオープンソースCRMです。Vtiger CRMは世界中で多数の導入実績があるものの、日本企業の商習慣にはそぐわないという問題があります。これに独自カスタマイズを加えて運用する企業もありますが、開発コストが余計にかかりオープンソースCRMとしての利点が失われます。一方、F-Revo CRMはVtiger CRMをベースにして日本企業が使いやすいようにカスタマイズされているため、標準機能を最大限に活用してアドオンを最小限に抑えられます。
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3.Sugar CRM
米Sugar CRM社が開発したオープンソースCRMです。世界で1万社以上に導入されており、有料製品の開発も進められています。数あるオープンソースCRMの中でもコミュニティが活発的なので、導入・運用やアドオン開発において様々な情報や意見が交換されています。コミュニティの情報を参考にしたり、コミュニティに質問を投げかけたりすることで導入しやすいオープンソースCRMだと言えます。
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SugarForum.jp | SugarCRMの日本語コミュニティポータル
4.Suite CRM
PHO製のオープンソースCRMで、世界中での導入実績があり、Salesforceの代替としても注目されています。ただし、他のオープンソースCRMに比べて歴史が浅く、日本語のコミュニティが少ないのがネックです。英語で問題ないという場合は、一度検討しておきたいオープンソースCRMでしょう。
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5.Vtiger CRM
世界中で最も導入されているオープンソースCRMがVtiger CRMです。日本語コミュニティが活発化していますので、日本企業が導入する場合もスムーズに作業を行えるでしょう。ただし、前述のように日本企業の商習慣とは違った機能を搭載しているので、コミュニティ情報を参考にしつつ独自のアドオンを加える必要があります。
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[RELATED_POSTS]無料のクラウド型CRM 4選
1.Ambassador Relations Tool
大阪市に本社を置く株式会社コンファクトリーが提供する無料CRMです。フリープランでは1万人の顧客を登録でき、1回あたり1万通のメール送信が可能です。その他アンケート自動集計やMA機能も備えているため、フリープランでも十分活用できます。
2.Flex CRM
広島市に本社を置くノイアンドコンピューティング株式会社が提供する無料CRMです。現在はベータ版につき、すべての機能が無料で利用できます。CRMに加えてSFA、マーケティング、カスタマーサポートの機能も備えている本格的なCRMです。
3.Fullfree
Excelのようなシンプルな表示形式ですべての項目をカスタマイズできる無料CRMです。CTIシステムとの連携も可能で、顧客情報を参照しながらの電話対応ができます。複数PCとのクラウド共有もできるので、共同編集で作業を進められます。
4.HubSpot CRM
MA(Marketing Automation)ツールを中心にクラウドサービスを展開するHubSpotの無料CRMです。最大100万件のコンタクトを登録でき、ユーザー数とストレージ量を無制限で利用でき、利用期限もありません。より高度なCRM機能を活用するには、他有料ツールとの連携を前提にしています。
https://www.leadplus.net/hubspot
環境に合ったCRMを導入しよう!
いかがでしょうか?本稿では無料で使えるオープンソースCRMと、クラウド型CRMをご紹介しました。CRMは製品によって搭載されている機能が違い、カバーする業務範囲も異なります。導入する製品によってアドオンの必要性も変化するため、自社環境に合ったCRMを選択することで、標準機能を最大限に活用してアドオンの必要性を低く保てます。
オープンソースCMRといえど、導入に際しサーバー設置やインフラ整備等は必要になるので、必ずしもコストがかからないわけではありません。その点を十分考慮した上で、最適な製品を導入してみましょう!
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