「会計ソフトを導入してみたいけれど、最初のうちはできればコストをかけたくない…」と考えている経営者に向けて、ここでは無料で使える会計ソフトをご紹介します。
会計業務にExcelを使用している企業は、今でも多数存在します。Excelはビジネススタンダードなアプリとして導入していることが多く、個別のコストがかからない上に表計算ソフトとして必要な機能はすべて備えています。
ただし、Excelで会計業務を行っているとバージョン管理が複雑になったり、誤操作によって会計帳簿が削除されてしまったりする等のリスクもあります。仕訳作業では1つ1つ手入力になるため手間も多いでしょう。
一方会計ソフトは、会計業務をスムーズに行うために開発されたソフトウェアなので、業務効率を向上できる機能が備わっています。Excelでの会計業務に限界を感じ始めたのならば、会計ソフトの導入を検討してみましょう!
無料で使える会計ソフト5選
1.Freee
2013年にサービス提供が開始された、クラウド型会計ソフトの先駆けとも言える存在です。無料プランでは機能制限を設けた状態で、以下のような機能が利用できます。
- 会社法に準拠した決算書
- 消費税申告
- 導入コンサル
- (まるごと導入サポート)
- 口座同期・自動で経理
- 請求書の作成
- ファイルボックス
- 収益レポート/費用レポート
- 損益レポート
- 売掛レポート/買掛レポート
- 総合振込ファイル出力
- 現預金レポート
- 資金繰りレポート
- 集計表
- 日次残高推移
- 月次推移(貸借対照表/損益計算書)
- 試算表
- 仕訳帳・仕訳エクスポート/総勘定元帳
- 在庫棚卸
- 支払調書
- 消費税区分別表/消費税集計表
- 達人シリーズ連携用データの作成
- (消費税/法人税/勘定科目内訳明細書)
- 月締め
- メンバー招待・権限管理
- 税区分の設定
- コメント
- エクスポート/インポート
- 税理士招待
- 仕訳承認履歴の確認
freeeは簿記知識が無くても手軽に利用できるクラウド型会計ソフトとして提供されており、金融機関との連携で自動記帳や自動仕分け等が行えます。直感的な操作性で初心者でも使えるようになっているので、初めて会計ソフトを導入する場合でも安心です。ただし、無料プランの場合は直近1カ月のデータしか保存できないので注意しましょう。
2.やよいの白色申告オンライン
もともとは有料で提供されているサービスでしたが、現在では完全無料で利用可能なクラウド型会計ソフトです。個人事業主に特化したサービスであり、無料ながらもすべての機能が利用できます。
- かんたん取引入力
- スマート取引取込
- レポート作成
- 帳簿作成
- スマートフォン取引入力
- e-Tax対応
- 収支内訳書の作成
- 確定申告書Bの作成※
- 減価償却費の計算
- 家事按分の計算
- e-Tax申告データのダウンロード
- 消費税申告書
- セルフメディケーション税制の明細書
- 取引帳簿のダウンロード
- 取引レポート
- 日別取引レポート
- 損益レポート
- 損益レポート
- 科目別損益レポート
- 取引先別損益レポート
- 消費税関連
- 科目別消費税額の確認
- 消費税納付見込み額の確認
- 科目の設定
- 固定資産の登録
「直近〇ヶ月のデータが削除される」といった制限もないので、ずっと無料で使い続けられる会計ソフトです。
https://www.yayoi-kk.co.jp/products/shiroiro_ol/index.html
3.ツカエル会計
無料版の会計ソフトが利用できます。お試し版という位置づけですが、利用期限はなくずっと使用でき、無料版で登録したデータを有料版に引き継ぐことも可能です。ただし機能制限が多い点に注意しましょう。
- 仕訳日記帳
- 総勘定元帳
- 補助元帳
- かんたん取引帳
- かんたん取引帳グラフ
- 売上帳
- 仕入帳
- 売掛帳
- 買掛帳
- 経費帳
- 現金出納帳
- 預金出納帳
- 不動産所得の内訳
- 収入金額の内訳
- 育成費用の計算
請求書発行は月間3枚までなどの注意点もあるので、それらを考慮した上で使用してみましょう。
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4.フリーウェアイ会計Lite
「ずっと無料で使える」をコンセプトにサービス提供している、クラウド型会計ソフトです。現在16万人以上のユーザーが利用しており、無料ながら会計ソフトとしての機能を十分に備えたサービスです。ただし、無料版ではデータ保存が端末内に限定され、個人事業主や中小企業を対象にしている点に注意しましょう。
- 仕訳形式と出納帳形式
- 多彩な抽出と検索
- 入力項目を固定できる
- 決算確定前に翌期の先行入力ができる
- 消費税の入力方法が2種類
- エラーチェック機能
- 科目名や入力時の科目コードを自由に設定
- 他社の会計ソフトの科目体系を読込める
- 補助科目を作ることで科目の内訳を管理
- サーチキーを使って補助科目を見つける
- 摘要欄でよく使う文章を条件つきで設定
- データ入力中に摘要辞書を登録
- いつも同じ内容の仕訳を固定仕訳に登録
- 企業分析レーダーチャート
- B/S構成図表
- 損益分岐図表
- 月別推移図表
- 月別推移図表(科目指定)
- 月別三期比較図表
- 月別三期比較図表(科目指定)
- 報告式決算報告書
- 勘定式決算報告書
- 前期比較決算報告書
- 個人前期比較表
- 勘定式決算報告書(個人)
この他、19種類の帳票出力にも対応しています。
5.円簿会計
広告掲載を収入源にしているので、完全無料で使えるクラウド型会計ソフトです。弥生の会計ソフトからのデータ移行にも対応しているので、無料ソフトに切り替えたいというユーザーにとっても便利な会計ソフトです。管理画面に広告が掲載されるもの。それほど邪魔には感じません。法人にも個人事業主にも対応しており、クラウドサービスなので端末の種類を問わないのがメリットです。インターフェースはシンプルで見やすいものの、最低限の複式簿記知識が必要になります。
https://www.yenbo.jp/service-info/kaikei.html
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無料会計ソフトの注意点
使い方次第で、会計ソフトもずっと無料で使い続けることができます。ただし、無料会計ソフトを利用する際は以下の点にご注意ください。
- 有料ソフトに比べて機能制限が多く、企業規模によって利便性を損なう
- 無料ソフトの中にはセキュリティ面に問題があるものも多く、社内でのセキュリティ強化が必要になる
- 基本的にカスタマイズは不可能なので、自社の会計業務要件にマッチした会計ソフトを導入するのは難しい
- サービスレベルが不明確な製品もあり問題が置きた時の所在が不明確
無料の会計ソフトを利用する際は、ずっと無料で使い続けようとするのではなく、お試しという感覚で利用するのをおすすめします。特に一定以上の規模がある企業では、無料会計ソフトでは会計業務が機能しないことが多いため、より高度な会計ソフトが必要になります。
会計業務を飛躍的に効率化させたい、業務プロセスを改善し企業の生産性を向上させたい、と考える場合は、有料会計ソフトまたはERP(Enterprise Resource Planning)などの導入を検討してみましょう。
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