オフコンユーザーが取るべき4つの移行パターン

 2020.03.13 

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オフコン(オフィス・コンピューター)を運用し続けることが、日を追うごとに苦しくなっていると感じている方が多いでしょう。オフコンは1970年代から1990年代にかけて日本企業のビジネスを支えてきた存在ですが、1990年代にはオープン化が急速に進み、今では柔軟性と拡張性が低い「レガシーシステム(負のIT資産)」とも呼ばれています。そんなオフコンを使い続けているユーザーが、移行にあたって考えるべき4つのパターンがあります。皆さんの企業にとって、最適な選択肢とは何でしょうか?

オフコンユーザーが取るべき4つの移行パターン

オフコン移行4つのパターン

それではさっそく、オフコンを移行するにあたって考えるべき4つのパターンとそれぞれの特徴をご紹介します。

パターン1. リプラットフォーム

既存のプログラムの修正は行わずに、データと共に新しいプラットフォームへと移行するパターンです。サーバーはオープン系のハードウェア(Windows Server等)およびOS(Unix、Linux、Windows等)を使用し、その上にオフコンで使用していたアプリケーションを配置します。

リプラットフォームの場合、既存環境で動作していたアプリケーションがそのまま移行できれば良いのですが、既存アプリケーションが動作しない可能性もあるでしょう。また、新しい技術を採り入れるわけではないため、旧技術を有したIT人材が継続的に必要であり、人材不足問題も解消されません。業務システムは現状維持なのでシステム機能が向上することもないでしょう。

パターン2. リライト

開発言語変換ツール等を使って、プログラムのソースコードを新しい開発言語に変換する移行パターンです。開発言語変換ツールを使うことでリライトにかかる工数を大幅に減少できるため、システム規模の大きいオフコンで有効的です。

ただし、原則としてプログラムのロジックはそのままになるので、新しい開発言語に最適化されないことがネックになります。機械的にプログラムを変換するので技術者にとっては読みにくくなり、結果的に改修が必要になります。技術的な問題で移行が難しい場合は手作業で移行しなくてはいけません。

パターン3. リビルド

業務プロセスの見直しを行い、システム要件を新たに定義して開発言語などからシステムを作り替える移行パターンです。その際にオープン系システムを構築するため、現代ビジネスに即したシステム環境が完成し、柔軟性の高いビジネスを促進できます。

これには要件定義やシステム設計に長けたIT人材が必要になり、かつ長期的なプロジェクトになります。また、現在の仕様設計が不明な場合やBRP(ビジネスプロセス再設計)のノウハウを持たない場合は難しい取り組みになるでしょう。

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パターン4. リプレース

パッケージ製品の導入やクラウドの利用によって、既存のシステム環境を全面的に刷新する移行パターンです。導入するパッケージ製品やクラウドに応じて業務プロセスを見直すことが可能で、かつ独自性が低いため汎用的なシステム環境を構築できます。

ただし、パッケージ製品とクラウドは企業独自に開発したものではないので、対応できる機能とできない機能があります。その場合にはカスタマイズで対応することになります。

最適な移行パターンとは

上記の4つの移行パターンの中で、オフコンユーザーにとって最適なパターンは何でしょうか?一概にどれが正解とは言えませんが、多くのオフコンユーザーが選択しているのが「リプレース」です。リプラットフォームとリライトに関しては、対応するメリットはほとんど無いと考えてよいでしょう。リビルドに関してはシステムをゼロから開発することから、コストが増大しプロジェクトが長期化するため、現在ではあまり選択されません。となれば、残るのはリプレースです。

オフコンの移行にリプレースが最適とされている理由は、オープン系技術の採用とパッケージ製品・クラウドを導入することで、システム構築期間を短縮しながら開発コスト削減が期待できることです。最近ではクラウドファーストの企業が増えていることから一気に最新クラウドというのが企業競争力を高めることに貢献するでしょう。

これらの理由から、多くのオフコンユーザーはリプレースを選択し、パッケージ製品またはクラウド、あるいはその両方を導入することで新しく柔軟性と拡張性の高いシステム環境を構築することが可能になります。

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クラウドのメリット

ここであらためてクラウドのメリットについて解説します。オフコンが現在でも稼働している企業の大半は中堅・中小企業であり、中にはIT人材が不在という企業もあるでしょう。そうしたオフコンユーザーにとってクラウドは最良の選択肢になります。

メリット1. メンテナンス不要で運用できる

クラウドはサービス提供事業者が運用するシステムを、インターネット経由で利用するものです。従って、ユーザー企業は物理的なシステムメンテナンスに係わらず運用できるため、IT人材がたとえ不在でも新しいシステム環境を構築できます。

メリット2. 料金は使った分だけの従量課金制

クラウドの多くは従量課金制です。たとえば業務システムを提供するサービスなら、利用するユーザー数に応じた料金しか発生しません。これによりITコストの最適化とIT予算が可能になり、戦略的なIT投資が行えるようになります。

メリット3. セキュリティ性向上の効果もある

セキュリティ対策を実施するには新たなシステム導入とそれに伴ったコストが必要です。一方、セキュリティ的に信頼性の高いクラウドを選択すれば、それだけでセキュリティ向上の効果が期待できます。

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メリット4. いつでもどこでも使える

クラウドはインターネット経由で提供されるサービスです。つまり、インターネットに接続可能ならばいつでもどこでも使えるのが大きなメリットです。端末が異なっても同じシステム環境にアクセスできるので、忙しく動き回っている経営者にとっても使いやすいシステムでしょう。

メリット5. 最新技術を手軽に体感できる

数あるクラウドの中には、AI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)といった最新技術を搭載しているものもあります。さらに、データ分析ツールが統合されていることで、企業がこれまでに蓄積したデータ資産を分析する機能が備わっているものもあります。本来ならばIT人材が必要な最新技術も手軽に体感し、ビジネスに採り入れられます。

以上のようなメリットから、リプレースの選択肢としてクラウドを選ぶオフコンユーザーは多数存在します。皆さんのシステム環境にとって最適な移行パターンは何でしょうか?移行の際は、クラウドを優先的に検討する「クラウドファースト」を推進して、自社にとって最適なリプレース先を選びましょう。

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