ERPを利用したDXをどのように推進するべきか迷っていませんか。DXは最近の取り組みのため、ERPと関連がないと考えている企業は多いです。しかしDXはIT化と共に進み、改革を進めるための重要な指針といえます。ERPとDXは今後もより一層深い関連を持つことになるでしょう。
今回はOracle ERP CloudとDXとの関連性、次世代ERPがDXに与える影響から、Oracle ERP Cloudの特徴を述べたうえで、期間業務システムの今後のあり方について詳細に解説します。
ERPとDXについて
DXと聞くと単調に既存システムのIT化と効率化を述べて、IoTデバイスを利用した改革である。このように考えている人が多いのが現状です。確かにこの考え方もDXとしては間違いではありません。しかしOracleが捉えているDXは以下のような考えです。- 「既存ビジネスの死守」
- 「新規ビジネスの挑戦」
このためにITを活用することがDXであり、あくまで上記を満たすための戦術であることがDXの目的とされています。システム刷新やIoTデバイスを導入することがDXではないと考えているのです。そのため、Oracleが考えている次世代ERPもあくまでDXの手段であって、DXではないといえるでしょう。
このような次世代の戦術のためにDXは行われますが、OracleはDXを大きく2つの条件に分けています。それは「守り」と「攻め」の役割に分かれたDXです。他社との差別化、そして徹底した効率化を目指すことがDXの目指すべき役割といえます。この「守り」と「攻め」のDXについて、詳細に解説していきます。
守りのDX
守りのDXというのはどういったことなのか理解し難いと思います。Oracleが考える守りのDXのキーワードは「徹底した効率化を目指す」ことであり、ビジネスで行われるやりとりを自動化し最適化することです。ここにERPが関連すると、ERPが従来行ってきた会計やサプライチェーンのメイン領域を超えなければなりません。より効率的にやりとりが自動化して最適化されること、会計・調達のプロセスを標準化・簡略化する中で、業務が集約され、コスト削減などを行うことです。
つまり、守りのDXは自社内の業務効率化を目的とした領域に対する改革と、自動化などによるデータを効率的でスピーディーに処理することで意思決定が行える状態にするということが目的であるといえるでしょう。
攻めのDX
では、攻めのDXを考えるキーワードは「製品やサービスの優位性を伸ばし、他者との差別化を狙うもの」です。極端にいえば、サービスやビジネスモデルの抜本的な改革と捉えることができるでしょう。例えば営業モデルの高度化によって、既存の商品やサービスの提供価格は向上していきます。これに加えて、顧客接点の高度化によって、時代に合わせて顧客との関わりあいが変化していることに柔軟に対応すること、さらに営業モデルをより高度にすることが攻めのDXといえます。
守りのDXが自社の内部における改革のテーマに対して、攻めのDXは自社外の顧客を中心にしたステークホルダーをも巻き込む外部要因的な改革であるといえるでしょう。
次世代のERPと価値判断
Oracleが考えている次世代のERPは従来のERPの領域だけでは不十分だと結論づけています。ERPは企業の業務プロセスとデータとをリンクすることで、企業における意思決定に寄与するプラットフォームとするべきとしているのです。これは企業がERPに求めている価値が変化していることにも関連しています。従来のERP選定ではシステム導入による効果を投資に対する利益で判断してERPを選択していたことが背景にあるといえるでしょう。しかし従来のERPから次世代のERPに求められていることは大きく変化しています。重視され始めたのは「経営にどう貢献できるか」ということがERP選定の価値判断へと変わってきているといえます。
DXの成功の鍵といえるのは「守りのDX」による徹底的な効率化と自動化による標準化・簡略化や、コスト削減を利用することです。そして「攻めのDX」によるサービスの差別化、既存の市場への迅速な軌道修正、新規領域の参入への意思決定の速さにより効率的に意思決定を行うことといえます。この2つのDXに対してアプローチできるERPを利用することで企業が継続的に成長し、DXが成功したと考えられるでしょう。
そのためにOracleが提案する「Oracle ERP Cloud」の特徴をご紹介します。
Oracle ERP Cloud|3つの特徴
Oracle ERP Cloudにおける特徴はビジネス領域の網羅性、企業のデータの統合、クラウド基盤の3つです。守りのDXと攻めのDXで取り上げている内容を取り込んだERPであることが特徴から予想することができます。順に解説していきます。ビジネス領域の網羅性
Oracle ERP Cloudの大きな特徴の一つがビジネス領域の網羅性です。企業活動に関わる全ての情報をERPによって一元管理しており、代表的に以下の領域をカバーすることが可能なクラウドサービスとして認知されています。- 財務会計
- 購買管理
- プロジェクトポートフォリオ管理
- サプライチェーン管理
- 統合業績管理
- 予算管理
- リスク/コンプライアンス管理
これらの領域を網羅することによって、複数の部門にまたがって業務を自動化することが可能となっています。そのため、多彩な業種、事業パターンにも対応することが可能です。
また、Oracle ERP Cloudはグローバルな拠点に対応しているため、多言語、多通貨、主要国の法制度など、業務だけではなく、国境を飛び越えたグローバルな展開が可能であることも網羅性に内包されています。
企業データの統合
従来の企業のデータ管理方法は、各部門のデータがサイロ化しており、バラバラに管理および確保されているといえます。これからのERPのあり方として、企業データの統合化が必要となってくるでしょう。これはビジネスの全てのデータを統合管理することで、迅速な分析を行うことを可能とし、結果的にリアルタイムな意思決定を促すことにつながるからです。もちろん、リアルタイムにデータを氾濫するためにはデータドリブンシステム構造の整備が必須となります。
しかし、従来のサイロ化された各部門のデータではプロセスの自動化や全体的な迅速な意思決定をすることが不可能となってしまうでしょう。そこでOracle ERP Cloudはデータドリブンシステム構造を利用することによって、企業活動の全てを記録し、統合します。
これによりデータの一元化を行い、企業のデータ分析を容易にする役割を可能にしているのです。
クラウド基盤
Oracle ERP Cloudはその名の通り、クラウドサービスです。従来のオンプレミス型とは違い、コストの削減を可能にしています。クラウドサービスの利点として、以下のような特徴が挙げられます。
- アップデート対応
- 拡張性
- 柔軟性
Oracle ERP CloudではサービスをSaaSで提供していることから、インターネット経由でサービスを利用することが可能です。そのためにアップデートの費用も削減することが可能となります。
また、クラウドサービスは新たな機能の追加が容易にできる拡張性や、不要な機能を外すことなどに対して柔軟であることなど、クラウド基盤であることによるメリットを最大限享受することができるのです。
さらにクラウドによるERPの導入は従来よりも短い期間で導入することが可能となっており、短期間かつ低コストの導入を実現しています。
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まとめ
ERPとDXの関係から、次世代のERP、Oracle ERP Cloudの特徴について解説しました。Oracleの提供するクラウドサービスは企業に欠かせない堅牢なサービスと、柔軟なモジュールの提供を可能としています。
クラウドを基盤とすることで基幹業務システムを一元管理することも容易に可能とし、DXに欠かせないERPの利用によって企業の抜本的改革を促します。また、企業が必要とする最適なプランを柔軟に提供することが可能なため、コスト削減や効率化を考えている場合は、導入を検討してみてはいかがでしょうか。
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- ERP
- キーワード:
- DX