スタートアップ企業向けERPを導入して経営の効率化と内部統制の両立

 2021.05.17 

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中小企業・スタートアップが自社の事業を発展させる際に、経営における基幹業務の効率化やデータの活用が課題となり、全体最適化が重要視されています。また、IPOや上場を目指す際には内部統制が必要不可欠です。

経営する中で企業が抱える多くの課題を解決するために、ERPを導入する中小企業・スタートアップが近年増えている傾向にあります。ERPを導入することで経営の効率化と内部統制の両立を実現できます。

スタートアップ企業向けERPを導入して経営の効率化と内部統制の両立

中小企業・スタートアップが抱える課題

中小企業庁によると労働生産性の高い中小企業・スタートアップの特徴として「IT投資を行っている傾向にある」という調査結果を報告しています。しかし、多くの企業は依然として経営のなかでIT活用が進められていない状態にあります。

中小企業、スタートアップが直面している課題として、以下のようなものが上げられます。

  • データの活用が重要視されているが、IT人材不足によりツールを導入しても使いこなすことができない。また、企業の保有するデータを分析できる人材が確保できない。
  • 販売管理、生産管理、財務会計、人事給与といった基幹業務における管理システムをそれぞれ独自のシステムで運用しているため、各部署が保有するデータが統一されておらず、作業効率が悪くなってしまっている。
  • 人材不足によって内部統制における業務に人的資源を割り当てることができず、自社内のコンプライアンス対応や不正・違法行為を起こさない労働環境づくりを行えていない。

これらの課題を解決する方法として注目されているのがERPの導入です。

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中小企業・スタートアップにも広がるERPの導入

株式会社矢野経済研究所が実施した国内のERPパッケージライセンス市場の調査によると、クラウドERPの利用率は2019年に38.3%だったものが、2020年には48.4%と右肩上がりで上がっています。そして、2021年には利用率が63.5%になると予想されています。

また、Oracle社が提供した利用状況のデータによると、2011年以降にIPOを成功させたテクノロジー関連のスタートアップのうち、64%の企業がクラウドERP「NetSuite」を導入しており、中小企業、スタートアップでもERPの活用が促進されている傾向にあります。

「大企業が導入するツール」というイメージのあるERPですが、ITテクノロジーの発展やデータを活用したビジネス活動の重要性から、小規模組織でも導入する流れが広がっています。

中小企業・スタートアップがERPを導入するメリット

クラウドERPを導入することで中小企業・スタートアップが抱える課題である「システム運用の負担」「人材不足」「内部統制の対応」を改善できます。

システム運用の負担軽減

多くの企業は、業務やサービスの中核となる「ヒト・モノ・カネ」に関する管理を行う「基幹システム」と社内外の情報を取り扱い、顧客情報管理や営業支援における業務の効率化を図る「情報システム」を導入しています。

従来の管理システム運用のなかで中小企業、スタートアップが抱える課題として以下のものがありました。

  • 各システムが個別で稼働しており、情報システム担当者に大きな負担がかかる。
  • 販売管理、生産管理、財務会計といった情報や業務フローがバラバラでデータに整合性が無く、一元管理ができていない。

これらの解消を目指してERPを導入することで、基幹システムと情報システムを一つに統合でき、システムの運用にかかる負担軽減につながります。

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また、ERPでは様々なシステムを連携できるため、業務システムが統合され一元管理を行うことができるようになります。

人材不足問題の解消

人材不足は、社会問題としても挙げられる重要な課題です。なかでも中小企業の人材不足は深刻な問題で、特にIT人材の不足はあらゆる業界で問題視されています。

DXが進む昨今においてIT人材のニーズが高まるなか、人材不足によって管理システムを適切に扱えず、経営課題となっている企業も珍しくありません。

ERPはそれぞれ独立した業務管理ソフトを連携・統合することで業務を簡略化でき、業務効率の改善が見込める「全体最適化」が促進されます。全体最適化が進むことで、それまで他部署間で管理していたシステムが統合され、部署の垣根を越えた相互連携が可能となります。それにより業務にかかるコストが解消され、その分余った労働力を別の業務に振り分けることが可能です。

つまり、ERPの導入によって生産性の向上が起こり、労働力を有効活用することで、人材不足を補えます。

内部統制の強化

企業がERPを導入する目的は「業務効率化」や「全体最適化」であることが多いですが、他のメリットとして内部統制の強化が挙げられます。

内部統制とは、企業が事業活動のなかで違法行為や不正が発生しないように社内ルールや業務プロセスの整備を行い、一定の基準を設けて運用することです。ERPの導入によって、ヒューマンエラーを防ぎ、データの整合性を担保することで内部統制の強化につながります。

内部統制を強化することによって、業務プロセスの改善、社内ルールの整備や促進が効率的に進み、労働生産性の向上や社内コンプライアンスの対応が改善されるなど、多くのメリットを得られるでしょう。

また、上場やIPOを目指す企業にとって内部統制の実施は必要不可欠な要素のため、ERPを導入する目的に「内部統制を促進する」という企業も多く見られます。

スタートアップに選ばれるクラウドERP「NetSuite」

多くの中小企業・スタートアップに選ばれているクラウドERPとして「NetSuite」が挙げられます。NetSuiteは、世界24,000社を超える企業で利用されている世界No.1のクラウドERPシステムです。前述した通り、2011年以降にIPOを成功させたテクノロジー関連のスタートアップのうち、64%の企業が利用しています。

NetSuiteの主な機能としては、以下のものが挙げられます。

  • 財務会計管理
  • 受注管理
  • 生産管理
  • サプライチェーン管理
  • 倉庫管理/フルフィルメント
  • プロキュアメント
  • 人事管理

そして、各管理業務を統合管理し、業務プロセスの最適化が行えます。また、BI機能が標準で組み込まれているため、データを可視化して経営における戦略の設計や成長につながるアクションに役立たせることが可能です。

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NetSuiteを導入したスタートアップの事例

世界24,000社以上で「NetSuite」は利用されています。ここでは、実際にNetSuiteを導入したスタートアップの活用事例を紹介します。

MONS ROYALE

ニュージランド生まれのファッションブランド「MONS ROYALE」は、ワナカ湖という小さな町を拠点にしており、世界各地の500店舗以上に商品を置いています。

NetSuiteを実装して以来、20,000ドルのコストダウンを実現し、事業は3倍に拡大するまで成長しました。

グローバルに事業展開をするMONS ROYALEは、通貨や税務管轄区域が事業を行う地域によって異なります。そして、中国全土には6つの異なるサプライヤーがいます。

NetSuiteを導入することで、世界中の小売店間で在庫をスムーズに移動できるようになり、在庫・注文・顧客データの単一ソースを一元管理することで顧客のために効率的なオンラインショッピング体験を提供することが可能になりました。

TREKNOLOGY 3

TREKNOLOGY 3はシンガポールを拠点とする小売業です。現在では、NetSuiteの恩恵もあり、シンガポールとマレーシアにおいて小売店6店舗と巨大なショールーム2室を持つまでに成長しています。

顧客サービスに重点を置いているTREKNOLOGY 3は、顧客のニーズを満たすために可能な限り迅速な対応を目指しています。そして、高品質なサポートを実現するためには正確な在庫把握と納期が必要不可欠です。

NetSuiteを実装したことで、過去のシステムでは実現できなかった在庫と顧客サービスが最適化され、データの可視化によって高品質なサポートの提供が可能となりました。

営業担当者はリアルタイムのPOSデータにより、確実な在庫管理が可能になり、整合性のある顧客データはブランドのロイヤルティ向上にも貢献しています。

まとめ

中小企業やスタートアップがERPを導入することで企業が抱える課題の解決が可能となり、事業展開において労働力を最適に活用できるようになります。

また、システムを一元管理することで業務効率化が進み、企業が保有する情報を適切に扱うことが可能になります。情報の整合性が取れ、情報管理や業務プロセスが管理しやすくなることから、内部統制の強化にもつながります。

経営の効率化と内部統制の実現に向けてERPの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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