新型コロナウイルスは企業にさまざまな影響をもたらし、多くの課題を与えました。ビジネス環境は短期間で変化し、企業はその都度対応に迫られます。
そこで今回は、新型コロナウイルスのインパクトを整理したうえで、それに対応するOracleの価値を紹介していきます。
新型コロナウイルス危機下におけるビジネスの変化
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、ビジネス環境や需要は大きく変化しました。緊急事態宣言の発令やリモートワークの実施、社内におけるソーシャルディスタンスの確保、時短営業などさまざまな感染防止の取り組みがあり、ビジネス環境への影響は多かれ少なかれ、ほぼすべての業種にあったと考えられます。
社会全体の傾向として、自粛の影響による消費の落ち込みは、多くの企業に影響を与えました。著しい収益の低下により、年次予算や投資計画の優先度見直しなどに追われる企業も少なくありません。一方で、経済が通常に戻ったときのことを考え、迅速に成長モードに回帰できるよう、価値を生む投資を検討する企業もあります。
例えばRICOHの山下社長は決算発表会の中で、2020年度のビジネスのあり方について、手元流動性、財務安全性、アフターコロナの3つのポイントを見据えた環境の変革が重要になると述べています。
さらに山下社長は、「リモートワークの流れを受けて空間的・時間的境目が薄れ、職住近接となること、働き方や価値観の変化が進むこと、そしてそれらが強制的に進み、もう元に戻らないこと、短期的に変わることを認識した」と発言しています。新型コロナウイルスは、「もう元に戻らない」ほどの勢いを持つ大きな変革をビジネス環境にもたらしたといえるでしょう。
[RELATED_POSTS]新型コロナウイルス危機で浮き彫りとなった企業のウィークポイント
新型コロナウイルス感染防止の対応に追われる企業は、現在も以下のような課題に直面しています。
- リモートワーク環境が整備されていない
- 社内外のコミュニケーションスピードが遅い
- 従来のマニュアル作業による非効率的なビジネスプロセスが多い(印鑑や紙など)
リモートワークを実施するためには、ネットワークやデバイス、専用のシステムなどをセキュリティ上のリスク対策を行ったうえで用意しなければなりません。しかし、すぐにこれらの対応ができる企業は少なく、新型コロナウイルスによって浮き彫りとなった企業のウィークポイントとして指摘されています。
また、内部・外部を問わずコミュニケーションが迅速に取れないこと、紙や印鑑などに依存する従来どおりのマニュアル作業がビジネスプロセスにおいて多いことなども、新型コロナウイルス対策が始まったことで明らかになった課題です。これらがリモートワークの妨げとなり、対応が遅れてしまった企業もありました。
新型コロナウイルス危機への3つの対応ステップ
新型コロナウイルスに備えるために、企業は以下の3つのステップに沿って対応を考えていく必要があります。それぞれのステップの概要を見ていきましょう。
フェーズ1 対応(短期)
最初のフェーズは「対応」のフェーズで、これは短期的なステップです。従業員の安全を確保すること、成長や挑戦ではなくビジネスの継続を最優先として軌道修正を行うこと、ビジネスプロセスのオンライン化を行うことが重要なポイントとして挙げられます。
新型コロナウイルスの対応に追われるフェーズになるため、企業はどのような経済状況下でもビジネスを継続していくことを一番に考えるべきです。そのうえでクラウドなどを通じて基本的な業務をオンライン化し、在宅でも従業員が業務を円滑に行えるような環境を整備する必要があります。
フェーズ2 復帰(中期)
フェーズ2は「復帰」のフェーズで、中期的なステップになります。
経済が通常に戻る兆しが見えたら、通常運転に向けた業務の回復や、製品の生産プロセスであるサプライチェーンの復旧が求められます。また、社外のコミュニケーションのあり方を見直すことも重要です。コミュニケーション手段をデジタル化し、非効率的な連絡手段から移行していくことも必要になるでしょう。
フェーズ3 再評価(長期)
フェーズ3は、「再評価」です。これは長期的なステップになると見られ、時代の流れに沿ってデジタルトランスフォーメーションを進めていくことが求められます。
フェーズ1、フェーズ2のステップを通して、「将来新型コロナウイルス以外の感染症が蔓延したときはどうするのか」といったことも考えられるようになります。状況の変化に対応していけるよう、ワークスタイルの変革を常に実施していくこと、それを新たな常識として浸透させることなどが肝要です。
新型コロナウイルス危機下でオラクルが対応できる価値
Oracleは、新型コロナウイルスの危機下でも以下のような価値に対応することが可能です。ここでは、Oracleが提供できる価値のポイントを一つずつ見ていきます。
対応フェーズでは短期コスト抑制を実現
対応フェーズで求められるのは、従業員の安全確保や業務のスムーズなオンライン化です。OracleのEPMでは、予算管理のソリューションにおいて、反復的なフォーキャストのストレステストを実施します。人員計画や投資計画を練る際にも、EPMの役割は重要です。
また、その他のERPパッケージでは、サプライヤーとのオンラインコラボレーションや取引分析などを強化したうえで、ビジネス状況のスムーズな把握に向けて業務を可視化していきます。あらゆる業務を一元管理し、リモートでも効率的に業務を行えるようにすることも、Oracleが提供できる価値の一つです。
復帰フェーズでは主要プロセスの回復や従業員育成に注力
復帰フェーズにおいては、主要なプロセスの回復や従業員育成に注力することがポイントになります。
経済が通常の状態に戻ることを見据えたうえで、経費管理や債務管理、製品ライフサイクル管理などの業務を回復していきます。HCMでは、ラーニングソリューションとして従業員の教育やスキル転換を実現するためのリモート学習を実施できるため、スムーズに育成環境を整えることが可能です。
再評価フェーズでは継続的な成長と競合優位をクラウドで実現
再評価のフェーズでは、Oracleは継続的成長と競合優位をクラウドによって実現します。働き方変革によって、今後は労働環境に新しい常識が加わっていくことになるでしょう。そのような変化も想定した上で、ERPではプロジェクト進捗管理の精度を高め、業務効率化の妨げとなっていたマニュアル作業の低減を目指します。
[SMART_CONTENT]まとめ
新型コロナウイルスの危機下においては、企業のさまざまなウィークポイントが浮き彫りになりました。特に、リモートワークの環境が整備されておらず、その対応に追われることとなった企業は少なくありません。
このように、ビジネス環境はさまざまな要因によって変革が起こり、その都度企業には迅速な対応が求められます。変化へのスムーズな対応とその重要性を、新型コロナウイルスの危機によって実感した経営者は多いでしょう。
Oracle Fusion Cloud ERPでは、企業内におけるあらゆる業務を単一のシステムで連携し、業務の効率化を実現します。クラウド環境での利用になるため、常に最新バージョンを利用でき、今求められているビジネスプロセスに備えられます。業務効率化・業務環境整備の際は、ぜひOracle Fusion Cloud ERPの導入をご検討ください。
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