よく、お客様からプロジェクトの収支管理をしてみたいという要望を聞くことがあります。そこで、ネットスイートのプロジェクト会計およびプロジェクトポートフォリオ管理について他社と比較しながら紹介したいと思います。
ネットスイートのプロジェクト会計の特徴
NetSuite プロジェクト会計は、プロジェクト活動を経営財務と直接結びつけ、プロジェクトのライフサイクルを通して、会計や請求を正確かつ確実に行うことを目的としています。プロジェクトに伴う、スケジュール管理、費用管理を合理化、レポーティング能力を強化します。
また、NetSuite プロジェクト会計は、総勘定元帳、買掛金、売掛金、販売注文、購買注文、在庫管理、それに従業員ポータルと統合、自動仕分けされているため、プロジェクトのステータスが自動的に更新され、科目に自動仕分けされるいわば、トランザクションは完全に一つで管理されていることが大きな特徴なのです。
収益性を監視
プロジェクトの収益性を監視し、予算に対するプロジェクトの財務状況をリアルタイムに可視化します。
キャッシュフローの改善
顧客に迅速かつより正確に請求を行うことによりプロジェクトのキャッシュフローを改善します。
人的工数の削減やミスの極小化を実現します。
請求漏れといった、非合理的なミスそのものを構造上なくし、費用に関して顧客に自動的に請求し、人的工数やミスを削減します。
柔軟で自動化された請求
プロジェクトの請求を自動化、顧客またはプロジェクトに基づいて承認を管理、リアルタイムに請求の残高を参照、プロジェクト会計を総勘定元帳は自動で仕分けされ統合しています。
プロジェクトレベルでの収益認識プロセスを自動化
プロジェクト独自のスケジュールやガイドラインに従って収益認識を行います。企業が採算性を測定する方法に準拠するために、プロジェクトの請求とは別の収益認識方法を活用します。これは、会計上極めて重要なエッセンスであり、標準会計上収益認識のためにかかる工数を大幅に削減するとともに、洗練された標準プロセスによって、会計に関わるスピード感を圧倒的に高めます。
プロジェクトの採算性を監視
プロジェクトレベルでの会計の概要や詳細を監視し、レポートします。その中には、わかりやすいグラフやレポートで示されたリアルタイムのプロジェクトの採算性指標やプロジェクトの予算と実績の対比が含まれます。
マルチテナント型のクラウドアプリケーション
ネットスイートサービスは、マルチテナント型で構成された純粋なクラウドアプリケーション製品です。
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オロ社のZACの特徴
一方で、SaaSタイプのプロジェクト会計ソフトであるオロ社のZACは、プロジェクト収支管理を軸に発達させてきた「管理会計」ソフトです。
プロジェクト単位のビジネスで、労務費や共通費配賦を可視化し、いわば“小さな経営単位”を表現することには長けています。
ただし、開発の歴史から見てもプロジェクト収支管理から始まった管理会計ソフトであり、財務会計とは異なる内部管理用の目的で売上計上や費用認識が行われます。
したがって、基本的に財務会計ソフトへの連携が前提となるため、多くの場合で財務会計ソフトと管理会計ソフトの並行運用が必要になります。また、グローバルマルチテナントの連結を考慮した場合、管理会計ソフトはそもそも財務上の決算単位を認識するものではないため、連結という概念自体がなじまないものと言うことができます。このように、プロジェクト会計ソフトは本質的に財務会計とは導入目的が異なるものであり、ネットスイートとは根本的な思想が異なるものであることがわかると思いますし、マルチテナント型のクラウドアプリケーションではないので、システム構造上もかなりの違いがあるかと思います。
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クラウドERP選定のポイント
プロジェクト収支管理を、検討されるのであれば、
グローバルを視野に入れているのか、経営管理、財務を全体で考えるシステムなのか? 手組みで拡張性があるシステムを担保できるのか?
と言った視点で比べると良いと思います。
クラウドアプリケーションコンサルタント
ドクターS
参考記事:ERP製品の比較
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