業務改善とは?その目的と方法をご紹介

 2019.06.19 

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ここ日本において、“業務改善”に取り組んでいない企業は少ないのではないでしょうか。それほど、日本企業には業務改善の意識が浸透していますし、業務改善を実施するためのノウハウが多方面で確立されています。

しかし、中には「業務改善に取り組みたいけれど、どうすればいいの?何から始めれば良いの?」と頭を抱えている方もいることでしょう。そこで本稿では、業務改善の方法について分かりやすく解説していきます。

業務改善の目的とは?“業務改善=経費削減”という誤解

最初に、業務改善という言葉の意味を明確に定義していきます。

実は、業務改善を「経費削減のこと」と誤解している方が多く、それによって業務改善が上手く進まないというケースがあります。

業務改善の目的とは「経営計画の目標達成に向けて、業務プロセスを最適にすること」、あるいは「特定の業務・作業を改善することで効率性を上げること」です。つまり、例えば小さな改善であっても最終的に“経営効率化”に結びつけば、それは業務改善なのです。

一方、経費削減とは部品・原材料の仕入れ先を見直したり、電気代を節約したり、店舗向けの電気契約を見直したり、賃料を下げるためにオフィスを移転したりと、直接的に経費が削減されるような取り組みを指します。

業務改善の二次効果によって経費が削減されるケースはありますが、業務改善の目的は“経営効率化”という別の場所にあるので、経費削減に取り組むことが業務改善を行うことにはなりません。

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業務改善に重要な“QCD”と“4M”

業務改善を実施するにあたり、何を対象にすればよいのでしょうか?これを考える上で参考になるのが“QCD”と“4M”です。

QCDとは?

QCDはそれぞれ“Quality(品質)”・“Cost(コスト)”・“Delivery(納期)”を表しています。これら3つの要素を業務改善の指標にすることで、業務改善を達成できたかどうかを数値的に判断することができます。

4大経営要素とは?

では、何を対象にQCDを改善すればよいのかといいますと、それは以下の4大経営要素が対象になります。

1

Man(ヒト)

従業員の能力、考え方、価値観、モチベーションなど

2

Material(モノ)

業務・作業で扱う資材やパソコン、ソフトウェア、業務ツール、など

3

Machine(設備)

社内設備や取扱業者、サービス提供を保持する仕組み、サーバーやネットワーク、業務体制、ルールやプロジェクト、企画など

4

Method(方法)

業務プロセスにおける作業手順、ワークフロー、承認手順など

これらの4Mに対してQCDという指標を適用していくことで、「何を改善すればよいのか?」という疑問に対する答えが見えてきます。

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業務改善の手順

業務改善に関する基本的な知識を身に着け、かつ改善対象となる業務に目星がついたら具体的な業務改善手順に移ります。

① 業務の洗い出し

「いざ、業務改善に取り組もう!」と思って焦ってはいけません。まずは、下準備として業務の洗い出しを行いましょう。改善対象となる業務にはどのような作業があるのか?その流れは?誰が担当しているのか?使っているツールや設備は?その業務から生成される情報とは?などなど、業務をさまざまな角度から観察しその構成要素を洗い出していきます。また、業務プロセス同士の繋がりについても明確にしておくことで、「あっちを改善したらこっちが悪化した」といった事態を回避することができます。

② 現状分析

洗い出した業務の構成要素を確認しながら、簡易的なモデル図を作成します。業務の流れや必要とするリソース(人、設備、方法など)をそれぞれ明記していきます。これは業務改善に取り組む関係者全員が共通認識のもとプロジェクトを進めていくこと、洗い出した業務の構成要素を整理することで問題発見を行いやすくすることが目的です。

③ 4つの視点

業務に隠れている問題をQCDと4Mの観点から考えていきます。問題を発見したら、次の4つの視点で改善アイディアを出していきましょう。

無くす

現在行っている業務の中には本来不要なものがあり、それがビジネスのQCDを損ねている可能性があります。その際は業務そのものを“無くす”ことが最も効果的です。たとえば「誰も参照していない資料を作っている」「誰も見ていない日報がある」「習慣的に行っていたという理由だけで目的がない業務がある」など、そもそも無くせる業務というのは意外と多いものです。

減らす

不要ではないし無くすことはできないという業務に関しては、次に“減らす”ことを検討してみます。要するに業務の回数や頻度を減らすことで、業務改善を行うのが目的です。たとえば「毎月の処理を隔月で処理する」「リアルタイムでなくてよい業務は一括で処理する」など、減らすことで得られる効果も非常に大きいでしょう。ただしその際は、業務を減らすことでの影響をしっかりと把握することが大切です。

変える

減らせはしないが改善の余地がありそうという業務に関しては“変える”ことを検討してみます。たとえば「Excel帳簿をシステムに変える」「担当者を変える」「業務フローを組替える」など、既存業務に適用している4Mを変えることによって、改善できる問題はたくさんあります。

繋げる

変えることも難しい業務に関しては最後に“繋げる”ことを検討します。業務と業務を繋げることで、業務効率をアップできるケースがあります。たとえば担当者の負担を考慮した上で担当する範囲を広げることで、業務をより円滑に進められる可能性があります。

④ 業務改善計画

4つの視点で業務改善のアイディアをどんどん出したら、施策効果が高く言辞的な業務改善施策を決めます。それに伴って業務改善計画も立てましょう。その際は、“KPI”の設定を忘れてはいけません。

KPIとは“Key Performance Indicator”の略であり、日本語では“重要業績評価指標”と呼びます。業務改善の最終目標に対して進捗を管理するための指標であり、明確な数値と期間で設定することによって業務改善が円滑に進んでいるかどうかを判断できます。

⑤ PDCAサイクル

最後に大切なのが、“PDCAサイクル”を持続的に回していくことです。業務改善が上手くいかなったと感じる企業の多くは、業務改善をたった1度で完了しています。しかしながら、業務改善が必ずしも最初から成功するとは限りません。そのため、PDCAサイクルを回して継続して改善に取り組むことで、最終的には成功と言える業務改善へと持っていきます。

本田技研の創業者である本田宗一郎は「今ある成功は、99%の失敗の上に成り立っている1%に過ぎない」という言葉を残しています。これは業務改善でも同じことです。たとえ99%失敗したとしても、その要因分析をしっかりと行い、99%の失敗を挽回するような1%の成功があればよいのです。

チャレンジすれば必ず失敗する可能性がありますが、チャレンジしなければ成功もありません。

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システム面からの業務改善

いかがでしょうか?ここでご紹介した方法をもって、業務改善にぜひ取り組んでみてください。また、業務改善はシステム面からも実施できます。例えば世界の業務プロセスのベストプラクティスが内包されたOracle NetSuiteなどのクラウドERPを導入することで業務が改善されるケースが多々あります。

ぜひ、一度、Oracle NetSuiteの業務プロセスについて確認してみてはいかがでしょうか。

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