ERPとCRM/SFAの特徴と連携するメリットを解説

 2022.05.27 

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課題の多い従来の基幹システムから「ERP」への移行を考えている企業は多いでしょう。その一方で「CRM」や「SFA」といった言葉を見かけることも多いと思います。

ERPと混同されやすいものの、CRMやSFAは異なるシステムです。また、CRM/SFAを連携させることで、ERPの価値はさらに向上します。企業のITシステムを刷新するうえで、こうした知識を事前に身に付けることが大切です。

そこで本記事では、ERPとCRM/SFAの特徴や違い、それぞれを連携させるメリットについて解説します。

ERPとCRM/SFAの特徴と連携するメリットを解説

ERPとCRM/SFAそれぞれの特徴とは?

ERPやCRM、SFAはいずれも現代のビジネスに欠かせないシステムといえますが、明確な違いがあります。まずはERP・CRM・SFAの特徴や役割を押さえて、それぞれの違いを明確にしましょう。

ERPの特徴と役割

ERPとは、企業におけるさまざまな部門のデータを一元管理し、活用しやすくするシステムです。「Enterprise Resource Planning」の略称であり、日本語では「経営資源計画」などと訳されます。ERPは元々、ヒト・モノ・カネ・情報といった経営資源を有効活用するための概念を指す言葉でした。昨今では多くの場合、それを実現するシステム自体を指します。

ERPの主な役割は、「企業全体の最適化」です。従来では販売や会計、人事といった業務ごとに異なる基幹システムを用いることが一般的でした。しかし、従来のシステムでは異なる業務間の連携がしづらい、可視性が低く活用しづらいなど多くの問題がありました。

そこで役に立つのが、ERPです。ERPは企業のあらゆる部門のデータを統合し、一元的な管理を可能にします。ERPだけで幅広い業務プロセスをカバーできるため、全社的な業務効率化につながります。また、異なる部門のデータをまとめて可視化できるうえ、BIツールによる分析も可能です。現場の社員だけでなく経営者も容易にデータを活用することが可能なため、リアルタイムな経営判断が実現します。

CRM/SFAの特徴と役割

続いて、CRMとSFAについても順番に解説します。CRMとは、顧客との関係を管理するためのシステムのことです。「Customer Relationship Management」を略した言葉で、日本語では「顧客関係管理」などと訳されます。

CRMを用いることで、顧客一人ひとりの基本情報や購買履歴などを一元的に管理・分析できます。またメール配信など、顧客にアプローチする機能もあります。これらの機能によって、各顧客に最適なアプローチ方法を把握・実践できるため、顧客満足度の向上につながるのです。

またSFAとは、営業活動を効率化するためのシステムです。「Sales Force Automation」を略した言葉で、日本語では「営業支援システム」などと訳されます。営業タスクの管理や営業日報の作成など、営業チームに役立つ機能が豊富に搭載されています。

ERPやCRM、SFAの決定的な違いは、それぞれの役割や対象範囲です。ERPは前述の通り、企業全体の業務データ・プロセスを最適化する役割があります。「企業全体」が対象範囲であるERPに対して、CRM/SFAの主な対象範囲は「顧客と関わる部門」です。

ただし、CRMとSFAがターゲットとする顧客も異なります。CRMの主な役割は「既存顧客との関係構築・維持」であり、既存顧客をターゲットとした機能が中心です。一方で、SFAの主な役割は「新規顧客の開拓」であり、見込み顧客から成約を得るのに役立つ機能が中心となっています。

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ERPとCRM/SFAを連携するメリット

顧客と関わる部門がメインユーザーとなるCRMやSFAは、コールセンターや営業といったフロントオフィス業務にも活用できます。一方でバックオフィス業務においては、CRMやSFAだけではさまざまな課題に直面します。

CRM/SFAのこうした課題を解決するうえで、ERPと連携させることが効果的です。昨今では「Oracle Fusion Applications」のように、CRMを包括した統合型ERPも普及しており、これらシステムの連携が容易となっています。CRMで顧客分析した結果をもとに、ERPで企業全体の経営戦略を立案する、といった連携も可能です。

ここでは、ERPとCRM/SFAを連携する主な二つのメリットについて、順番に解説します。

  1. 顧客向けの業務プロセスを効率化できる
    CRM/SFAは顧客向けの業務プロセスで使われますが、単独での利用だと不便なケースも少なくありません。たとえば、アフターサービスで顧客先に行った際、必要な部品の在庫状況を把握したい状況が考えられます。しかし、CRMだけでは在庫状況を把握できず、別の業務システムと併用する手間が発生するでしょう。

    その点ERPとCRM(SFA)を連携させれば、顧客情報と在庫状況をひとつのプラットフォーム上で参照することが可能です。複数のシステムを横断する手間がかからないため、顧客向けの業務プロセスを効率化できます。アフターサービスで余計な時間を削減できれば、顧客満足度の向上にもつながります。

  2. 企業全体が顧客情報をリアルタイムに活用できる
    CRM/SFAを単独で利用している場合、別の業務システムからは顧客関連の情報を参照できません。たとえば、営業チームが見込み顧客から受注した場合、SFAのデータが更新されるでしょう。しかし、そのデータは生産管理システムなどからは把握できず、SFAを使えない他部門がスムーズに動けないのです。

    その点ERPとSFA(CRM)を連携させれば、顧客情報をあらゆる部門がERPを通してリアルタイムに活用できます。上記の例では、生産部門がERPから新しい受注を把握でき、部品の手配など素早く行動に移せるでしょう。また経営者も、ERPを通して最新の顧客情報を経営判断に活かせます。
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まとめ

今回はERPとCRM/SFAの特徴や違い、それぞれを連携させるメリットについて解説しました。

ERPとは、企業におけるさまざまな部門のデータを一元管理し、活用しやすくするシステムです。ERPは「企業全体」が対象となるのに対して、CRM/SFAは「顧客と関わる部門」が主な対象となります。CRMは既存顧客との良好な関係構築・維持、SFAは新規顧客の開拓が主な役割です。

ERPとCRM/SFAはそれぞれ役割が異なりますが、連携するメリットは大きいといえます。顧客向けの業務プロセスでCRM/SFAを単独利用する場合、在庫などの情報にアクセスできず不便です。その点ERPと連携すれば、あらゆる業務データをERPから活用できます。

これからERPを導入する場合、CRMやSFAとの連携がしやすい製品を選ぶとよいでしょう。おすすめは、CRMを包括した統合型ERP「Oracle Fusion Applications」です。あらゆる業務データ・プロセスを統合し、基幹システムの抜本的なクラウド移行を実現できます。

クラウドERPによる グローバルシステム構築の世界基準

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