会計システムの仕組み・種類・機能一覧! SaaS型会計システムの紹介

 2020.11.02 

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会計システムの導入を検討している企業担当者向けに、会計システムの仕組みや導入形態の種類、主な役割や機能をご紹介します。導入してどのようなことが行えるのか、経営や業務効率にどう活かせるのかなどを解説するとともに、導入時に注意すべきポイントや、おすすめのアプリケーションもお伝えします。利用シーンのイメージを具体化するために、ぜひお役立てください。

会計システムとは企業の会計作業をIT化するシステム

「会計システム」とは、日々の会計処理から財務諸表の作成まで、企業が行うべき会計業務をIT化するシステムのことをいいます。

会計システムの主な目的は、業務の効率化です。IT化することにより、必要最低限の仕訳を入力するだけで、経理処理に必要なすべての帳簿や帳票が自動的に作成されます。手作業で会計処理を行うときと比較して、人が行うべき作業が減るので、ミスの発生機会が減少します。

また、入力された数値が計算と合わない場合に警告を出す機能が備わっているため、発生したミスを見つけやすいのも会計システムの特長です。会計制度や税制に変更があった場合には、会計システムをアップデートすることで、自動的に最新の制度に適応した会計処理を行えます。

会計システムを導入すると、総務・仕入れ・販売・営業部門などで別々に行っていた処理を、部門を横断して一元化できます。重複していた処理を効率的に行えるだけでなく、経営判断に役立つデータを、リアルタイムで取得することが可能になります。このように経営管理がしやすくなり、資金繰りなどの計画をスムーズに進めやすいという点も、会計システムのメリットです。

会計システムの仕組み

会計ソフトの基本的な仕組みは、仕入・売上・経費の発生といった日々の企業活動を会計ソフトに入力することで、帳簿や財務諸表などのデータが自動的に作成されるというものです。

企業活動に伴う取引について記録する、「仕訳」と呼ばれる作業を手作業で行う際は、伝票や仕訳帳に記入するとともに総勘定元帳や補助元帳への転記が必要です。しかし、ひとつの取引を複数の書類に記入しなければならず、多大な手間がかかります。その点、会計システムは頻繁に発生する取引について一括して入力できる機能や、外部システムとの連携など、業務を効率的に進められる仕組みが備わっているので、導入すると転記が不要になるだけでなく、日々の会計業務をスムーズに行えるようになります。

システムが動作する仕組みは、会計システムの導入形態により異なります。導入形態は、「クラウド型」「パッケージ型」「基幹システム型」の3種類があります。「クラウド型」はシステムがインターネット上にあるため、会計ソフトのWebサイトからログインし、ブラウザ上で利用します。

「パッケージ型」は、Webサイトからのダウンロードや、CD-Rから得たデータをインストールして、パソコン上で会計ソフトを利用します。

「基幹システム型」は、顧客管理システムや在庫管理システムといった外部データと連動して、会計システムが動作するものです。たとえば、商品を仕入れたことをシステム上で入力すると、会計システムには仕入と買掛金の発生が記録され、在庫管理システムには在庫が計上されます。

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会計システムの種類

上述したように、会計システムの導入形態にはクラウド型・パッケージ型・基幹システム型の3種類があり、それぞれ特長が異なります。自社に合ったシステムを選ぶためには、違いを把握しておくことが大切です。以下では、これら3種の導入形態について、より詳しく解説します。

クラウド型

クラウド型会計システムは、インターネット上にある会計ソフトを利用します。インターネットに接続さえできれば場所にとらわれず業務を行える点は、クラウド型の特長です。

さらに、データがインターネット上に保存されるので、操作している端末が壊れてもデータがなくならないという利点もあります。また、会計制度や税制の変更が生じると、自動的に変更へ対応したソフトにアップデートされるため、ソフトの買い替えや手動アップデートなどの手間がかかりません。

クラウド型の中には、インターネットバンキングやクレジットカードのデータを取り込んで、会計処理を自動的に入力する機能を持つ会計ソフトもあります。入力をサポートする機能が充実していて操作がしやすい点や、ほかの形態と比較して初期費用がかかりにくい点もクラウド型のメリットです。

パッケージ型

パッケージ型会計システムは、さらに「スタンドアロン型」と「ネットワーク型」の2種類に分けられます。「スタンドアロン型」は、個々のパソコンに会計ソフトをインストールして利用します。一方「ネットワーク型」は、社内LANなどを利用し、複数の端末で会計ソフトを利用できる環境を構築することが必要です。

インストールした会計ソフトを利用するパッケージ型会計システムは、データがインターネット上ではなく社内に保存されるため、情報漏えいのリスクを抑えられるという特長があります。そのため、高いセキュリティ機能を求める企業に適しています。

ただし、端末へのインストールや、制度の変更へ対応するための更新を手動で行わなければいけないなど、慣れていない人には扱いづらい面もあるので注意が必要です。

基幹システム型

基幹システム型会計システムでは、顧客管理や在庫管理などの外部システムとの連動により、自動的に会計データが作成されます。機能を自社に合わせてカスタマイズできるので、ニーズに合ったシステムを利用できる利点があります。

その一方で、費用が高額になりやすいというデメリットもあります。加えて、基幹システム型は複数のシステムに関わるため、システムダウンや情報漏えいが発生すると、企業に多大なダメージをもたらすという点にも注意が必要です。

基幹システム型を導入する際に重要なのは、高いセキュリティ機能を持ち、安定的に稼働するものを選ぶことです。また、基幹システムは一度構築したら永久に使えるものではなく、10~15年ほどで再構築が必要になることも留意しておきましょう。

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会計システムの主な役割

企業会計には、大きく分けて「財務会計」と「管理会計」の2つがあります。会計システムは、これら2つの会計に対応していることはもちろん、日常の業務を効率化するためのさまざまな機能を備えています。

会計システムの主な役割である財務会計と管理会計、そして期日までに漏れなく処理しなければならない債務・支払管理では、それぞれどのようなことができるのか、確認しておきましょう。

財務会計システム

財務会計とは、簡単にいえば「外部向けに公開する会計」です。株主や債権者、取引先や仕入れ先など利害関係のあるステークホルダーに向けて、企業の経営状態を可視化するための財務諸表を作成する業務です。

管理会計システム

一方、管理会計は「内部の経営幹部に提示する会計」です。財務会計が企業全体やグループでのまとまった経営成績を示すのに対し、管理会計では支社・地域・部門などのセグメント別に、多角的な情報分析をするために書類を作成します。

管理会計システムでは、細かなセグメントを設定し、さまざまな切り口からデータを取得できます。過去のデータが蓄積されるほど、精度の高い経営分析や経営シミュレーションが可能になります。管理会計システムは、戦略・方針といった経営陣の迅速な意思決定のために不可欠です。

債務・支払管理システム

買掛金の支払いや売掛金の管理は、取引先ごとに締日や期日の設定が異なるため、一度に済ませられず、煩雑な処理が必要です。しかも、取引先や顧客が拡大するにつれ、ますます業務が複雑化し、負担が増えることが予想されます。

企業によっては、購買部門や販売部門の部署内で売掛や買掛の管理をしている場合もあるでしょう。経理だけでなく、営業事務や総務などの他部署においても、一部重複したデータ処理が行われていることが多いものです。

債務・支払管理システムがあれば、他部署と連携したデータの一元管理が可能になるため、業務の効率化が実現します。特に外部サービスと連携可能なシステムなら、ネットバンキングのデータ自動取り込みや自動支払いなどが可能となり、支払い漏れの発生を防げるためおすすめです。

会計システムの主な機能一覧

上述したように、会計システムには「財務会計システム」「管理会計システム」「債務・支払管理システム」という3つの役割があります。以下では、この役割を果たすために会計システムが持つ主な機能について解説します。

帳簿・伝票入力

会計システムの基本機能のひとつに、帳簿・伝票入力があります。これは現金出納帳や売掛帳などの帳簿や伝票に、見たまま直接入力できる機能です。自動で振替伝票を起票し、それぞれの帳簿に反映してくれるため、複式簿記の勘定科目がわからない場合や、経理に不慣れな場合でも簡単に入力できます。

簡単に入力するための機能が備わっているので、取引先や摘要などを一から手入力する必要はありません。面倒な複合仕訳の振替伝票も、振替伝票入力画面で迷わずに入力できます。入力の手間が軽減するとともに、誤入力や帳簿の紛失リスクなどがなくなるため、正確性と信頼性の確保につながります。

仕訳入力

複式簿記の勘定科目がわかりづらいため、仕訳入力を難しいと感じる方もいるでしょう。企業によって、異なる名称の勘定科目で処理する場合もあるため、慣れるまでが大変です。

会計システムの中には、システムの学習機能により、摘要や取引先などに応じて自動で仕訳を行ってくれるものもあります。自社の取引内容に応じて定型の仕訳リストをあらかじめ作成しておき、ワンタッチで入力することも可能です。給与データなどは、支給や控除の項目別に正しく自動仕訳してくれるものもあります。データが蓄積されることにより、さらに仕訳精度が上がるため、大幅な業務効率化が期待できます。

資金管理

掛売りや掛け払いの商習慣によっては、売上があっても実際に入金されるのは翌々月末などになるケースがあります。「結局は仕入れ代金もあとで支払えるから問題ないだろう」と思われがちですが、支払いと入金のタイミングが必ず合致するとは限りません。入金よりも支払いの期日が先に来てしまい、運転資金が不足することもあり得ます。売掛金や買掛金、経費などの金額を把握し、資金繰り計画を立てることが重要です。

会計システムのキャッシュフロー機能なら、資金状況を可視化できるため、その都度正確な状況を把握できます。売掛金の回収を遅滞なく行うための通知機能などもあるため、回収漏れの防止も果たせます。

経営分析

経営分析機能があれば、さまざまな観点からのデータを瞬時に取得できます。たとえば、支社や支店別、部署別、地域別、商品別といったセグメント別に、売上や利益率などのあらゆる情報を集計して、グラフや一覧表に見やすく加工できます。

自社の知りたい情報を集約して可視化できるため、迅速な経営判断に役立ちます。各部署で処理を分散することにより、リアルタイムで最新の会計情報を把握できます。現代のビジネスにおいて、会計情報の可視化および迅速な意思決定は不可欠でしょう。

予実管理

企業は、予算に対してどの程度の実績を出しているか把握し、次期の予算を現実的な数値に修正して予算編成しなければなりません。会計システムを導入すれば、支社別・店舗別・部門別などに分け、ほぼリアルタイムで期中の達成状況をモニタリングできるため、早い時点で対策を策定して介入することが可能になります。予実管理を正しく把握できれば、財務会計や管理会計がスムーズに行えます。

税申告

毎年行われる税制改正で、法人税の税率に変更が生じた場合は、最新の税率を反映させて計算しなければなりません。国が発表する法人税率の引き上げや引き下げに合わせて、確実に対処することが求められます。

大きな制度改正があれば、計算式も変化する可能性があります。それによっては、既存の会計ソフトを新バージョンへと手動アップデートする必要があったり、買い替えを検討したりしなければならない場合もあるでしょう。手動のアップデートやバージョンアップ、旧ソフトの削除や新ソフトのセットアップおよびデータ移行など、手作業で行うのは経理担当者にかかる負担が大きくなりがちです。

制度変更に対して自動的に対応してくれる会計システムを利用すれば、それらの手間がかからず、経理担当者への負担を軽減できます。誤ってデータを消失したり、セットアップをミスしたりといったトラブルの心配も不要です。

データ連携

会計システム導入の大きなメリットに、「データ連携」が挙げられます。たとえば、会計ソフト以外にも購買管理・販売管理・経費管理などを、支店や部署により異なるソフトを利用して管理している場合もあるでしょう。

それぞれが顧客マスターや管理台帳を作成して独自に管理していると、同一内容の重複入力が発生する可能性が高まります。それらのデータを連携させられれば、経理だけでなく、関連する部門の大幅な業務効率化が可能になり、入力ミスの早期発見にもつながります。

また、ネットバンキングやクレジット会社などの外部サービスとデータ連携ができれば、預金口座やクレジット明細を自動で取得できるため、手入力で転記作業を行う必要もありません。手入力によるミスがなくなり、企業全体の最適化を図ることが可能です。

会計システム導入時に注意すべきポイント

複数ある会計システムの中から自社に合うものを選ぶためには、いくつか注意すべき点があります。導入後に後悔しないよう、ポイントを押さえておきましょう。

導入の目的を明確にする

会計システムは製品により違う強みを持つので、自社に合うものを知るためには、「導入により何を達成したいのか」という目的を明確にすることが重要です。たとえば、業務効率化を一番の目的とする企業と、経営判断に役立つデータの取得を最重要視する企業では、システムに求める機能が異なります。自社の目的を明確化し、それを達成するために必要な機能が備わっているか確認すれば、より効果的な会計システムを選びやすくなります。

サポート体制が整っているか

安定的にシステムを運用していくためには、サポート体制が整っていることが大切です。操作に迷ったときや、トラブルが発生したときに、すぐに解消できれば業務をスムーズに進められます。電話・メール・リモート操作への対応など、どのようなサポート体制が敷かれているのか、サポートが受けられる時間帯は自社の営業時間と照らし合わせて問題ないか、といった点を確認し、業務を滞りなく進められるサポート体制が敷かれた会計システムを選ぶと安心です。併せて、データの消失や改ざんなどのリスクに対する対策が充実しているかも確認しておきましょう。

他業務システムと連携できるか

会計システムを導入して、より効果的に業務を効率化するためには、他業務システムと連携できるか否かも重要です。たとえば、POSレジやECサイトなどと連携して運用できれば、データを自動で取り込めるので、会計業務にかかる時間の短縮につながります。クレジットカードの利用明細やインターネットバンキングのデータを取り込んで、仕訳に反映させる機能を持った会計システムも、業務の効率化に役立ちます。

また、長期的にシステムを運用していくためには、十分な拡張性や柔軟性を持っていることも重要なポイントです。将来的に必要な機能が変化したり、増えたりしたときに対応できるシステムであれば、継続的に利用しやすいでしょう。会計制度や税制の変更が生じたときに対応できる柔軟性を持っているかも確認が必要です。

【NetSuite】SaaS型統合業務アプリケーションの紹介

「NetSuite」は、会計システム・顧客管理システム・Eコマースなど、複数の主要な業務機能をひとつのシステムで実現できるSaaS型統合業務アプリケーションです。SaaS型とはクラウドサービスの一種で、インターネット上にあるソフトウェアを利用してサービスを受けられる形態です。ソフトウェアのインストールやパソコンへのデータ保存が不要で、複数のユーザーが利用できます。

以下では、NetSuiteを導入することで得られる主なメリットをご紹介します。会計システムの導入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

なお、NetSuiteについて詳しく知りたい方は、こちらも併せてご参照ください。

関連記事:「世界No.1のクラウドERP Oracle NetSuite

複雑な設定や手続きが不要

NetSuiteは、ブラウザ上でユーザーのリクエストに応じてサービス提供がなされるオンデマンドサービスなので、ハードウェアの調達や複雑な設定をする必要がありません。基本的な業務から特殊プロセスまでプリセットされているため、導入した日からすぐにサービスを使えます。操作で不明な点が生じても、24時間365日いつでも日本語でサポートを受けられるので安心です。

最新バージョンへのアップグレードは、クラウド提供者が管理します。1年に2回、自動アップデートが行われるため、手間をかけずに最新のサービスを利用できます。ライセンス料金の一括支払いやアップグレードに伴うコストは必要ありません。インターネット上にあるサービスを利用する形態なので、サーバーの用意は不要です。サーバーメンテナンスの手間や、更新時のトラブルでデータが消えるおそれもありません。

成長企業の拡大に最適化

クラウド基盤で構築されている業務アプリケーションが、シングルインスタンスで提供されるので、場所やデバイスを限定されることなく業務に臨めます。190種類を超える通貨や為替レート、19種類の言語、各国の会計基準に対応しているNetSuiteは、グローバルに事業を展開する際も問題なく利用できます。

また、NetSuiteは機能の拡張性に優れているため、事業拡大によりシステムに求める性能が増えた場合も、既存のシステムを継続して利用しながら機能の拡張が可能です。長期的にシステムを利用するうえで重要なシステムの拡張性と柔軟性を備えているNetSuiteは、現代の成長企業に最適化されたソリューションです。

ビジネス状況をリアルタイムに把握

NetSuiteは、リアルタイムでビジネス状況を把握でき、深く分析するために役立つ機能が容易に利用できるという特長を持ちます。データがクラウド上に一元化されているので、場所にとらわれず、確認したいときにすぐ情報にアクセスして、現在のビジネス状況を把握できます。

さらに、ダッシュボードやレポート機能など、経営状況を表すデータをリアルタイムで分析できる機能が標準で備わっており、データをグラフにして可視化することや、前期と今期の比較も容易に行えます。

権限ごとにアクセスできる情報を制御できるので、情報の安全性を保つことも可能です。独自のKPI設定も含めて、分析するKPIを自社に合わせてカスタマイズできるなど、深く分析を行いやすい環境が整っています。難しい操作は不要で、たとえば売上に関する情報の根拠を、損益計算書だけでなく個別取引の伝票まで、クリックだけで簡単にさかのぼって確認できます。

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まとめ

企業規模の大小に関わらず、経理担当者は財務会計や管理会計に関わるすべての業務を一通りこなさなければなりません。月次決算などでは、タイトなスケジュールで処理しなければならず、残業続きということもあるでしょう。会計システムがあれば、手間のかかる経理業務を大幅に効率化できるため、経営状態の把握が短時間で可能になります。

会計システムにはクラウド型・パッケージ型・基幹システム型の3種類があり、それぞれ異なる特長を持ちます。また、製品ごとに特化している機能も異なるため、利用するシステムによっては、「基本機能は一通り揃っているものの、自社が必要とする機能が弱い」といった場合もあります。したがって、導入にあたっては利用目的を明確化したうえで、サポート体制や他業務システムとの連携可能性などの機能面を考慮し、最適なシステムを選ぶことが重要です。

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