ERPとRPAを組み合わせるメリットをわかりやすく解説 

 2019.05.27 

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ERP(Enterprise Resource Planning:エンタープライズ・リソース・プランニング)とは、統合基幹システムといって経営活動に欠かせない複数の業務アプリケーションを統合したパッケージソフトウェア製品です。一方、RPA(Robotic Process Automation:ロボティック・プロセス・オートメーション)とは、パソコン上で行う定型作業を中心に自動化プログラムを作り、業務自動化を図るためのロボットソフトウェア製品です。

2つのIT製品を組み合わせることで、どんなメリットが生まれるのでしょうか?本稿ではそのメリットについて解説しています。ERPとRPAの可能性に着目している方は、ぜひご一読ください。

ERPとRPA、それぞれのメリット

まずは、ERPのメリットとRPAのメリット、それぞれのIT製品がどんなメリットを持っているか整理してみましょう。

ERPのメリット

  • 部署ごとに分断していた業務アプリケーションを1つに統合することで、情報資源を一元的に管理できる
  • BI(Business Intelligence)と組み合わせることで経営状況をリアルタイムに把握するためのダッシュボード(情報可視化画面)を作れる
  • 各業務アプリケーションが連携することでデータの受け渡しが行われ、2重3重のデータ入力作業が無くなる
  • 企業が管理する情報資源に信憑性が生まれることで、他部署のデータを参照して業務を進めることができる
  • 業務アプリケーションごとに分散していた保守運用作業を1つにまとめて、システム管理負担を軽減できる
  • 管理者は単一画面からシステム全体を管理することができ、細かい権限設定などによってシステムセキュリティを強化できる
  • 内部統制を整えるための基盤が作られ、コンプライアンスに違反するような行為やリスクを効果的に防げる
  • 1つのデータベースに集約されたあらゆる情報資源を組み合わせて高度な分析を実施することで、今までにない知見を導き出せる

RPAのメリット

  • Excelマクロ機能のようにアプリケーション単体ではなく、複数のアプリケーションにまたがった作業の自動化が可能になる
  • ホワイトカラー等の定型作業を中心に自動化プログラムを作成でき、作業時間の大幅な短縮が期待できる
  • パソコン上で完全に定型化され、かつ定期的に発生する業務はそのすべてを自動化プログラムで実行できる
  • 担当者ごとの作業時間を削減することで労働生産性が向上し、ロボットにはできないクリエイティブな仕事により集中できる
  • 働き方改革の一環として労働生産性を向上することで、場当たり的な施策ではなく本質的な改革が行えるようになる
  • 作業時間が削減されることで残業が少なくなり、従業員のプライベートを充実させて心身共に健康を保てるようになる

以上のように、ERPにもRPAにもたくさんのメリットがあります。これらのメリットを上手く引き出し、経営課題を解決したり、経営目標を達成するために導入するのがERP及びRPAです。

ERPとRPAを組み合わせるってどういうこと?

本稿の主題は「ERPとRPAを組み合わせた場合のメリット」ですが、そもそもERPとRPAを組み合わせるってどうやるの?という疑問を持っている方も多いでしょう。そこで、ERPとRPAの仕組みを解説します。

ERPはオンプレミス型として導入するものと、クラウド型として利用するものがあります。「導入」と「利用」の違いがポイントです。オンプレミス型は社内にシステム構築のための環境(ネットワークやサーバーなど)を作り、そこにソフトウェアパッケージをインストールします。そのため、ソフトウェアパッケージ費用はもちろん、システム構築環境の費用や、導入支援費用など、細かい費用項目があります。一方、クラウド型はインターネット経由でERPをサービスとして利用するものです。システム構築のための環境は不要であり、迅速に利用できることから初期投資を押さえられます。部門ユーザーの視点からすると、どちらも「IDとパスワードでログインして利用する」とう点では変わりないので、アクセスにイントラネットを利用するか、ブラウザを利用するかといった違いしか感じないでしょう。

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RPAにはサーバーインストール型とパソコンインストール型の2種類があります。基本的に、前者はより高度な自動化プログラムを作成でき、後者は簡易的な自動化プログラムを作成できます。さらに、サーバーインストール型は複数の自動化プログラムを同時に実行することができますが、パソコンインストール型では1つの自動化プログラムしか実行できないのがほとんどです。RPAの多くはGUI(グラフィカル・ユーザー・インターフェース)化されているものが多く、Excelマクロ機能のように実際の操作画面を見せるだけでプログラムとして記録できます。ただし、複雑なプログラムを作る際は開発作業が必要です。

このERPとRPAを組み合わせるということは、導入したERPを操作するための自動化プログラムをRPAで作るということと同義です。ERPで実行する作業は、ほぼすべてパソコン上で行うものなので、RPAによる作業の自動化が可能であり、それによって業務自動化を実施することができます。

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ERPとRPAを組み合わせるメリットとは?

では、ERPとRPAを組み合わせるメリットは何なのか?これを分かりやすく解説していきます。

1.組織全体にまたがった業務プロセスを自動化できる

ERPは部署ごとに分散していた業務アプリケーションを1つに統合できるソフトウェアパッケージ製品です。そこにRPAを組み合わせることで、組織全体にまたがった業務プロセス全体を自動化することができます。たとえば請求書作成業務では、営業が顧客からの発注を受け、その情報を経理部門に引き渡して特定のタイミングで請求書を発行します。RPAがある場合、営業がシステムに請求情報を入力した段階で経理システムにも反映され、特定のタイミングになると見積書が発行されるようにプログラムできます。さらに、EDI(Electronic Data Interchange)で請求業務を行っている場合は、見積書の承認フローを回すところまで自動化できます。

2.システム管理者が自動化プログラムを管理しやすくなる

RPAを導入することでの難点は、無数の自動化プログラムが作成され、それらを放置されることでシステムに悪い影響をもたらす可能性があることです。そのため、RPA導入ではシステム管理者が常に注意して自動化プログラムを管理しなければいけないのですが、そこにERPがある場合RPA自動化プログラムを走らせるプラットフォームが1つなので、管理が行いやすくなります。

3.より高度な労働生産性向上が期待できる

上記のようなメリットにより、ERPとRPAを組み合わせることでより高度な労働生産性向上効果が期待でき、ビジネスの付加価値をより高めることができます。日本企業は世界的に見ても労働生産性が低い国だとされているので、ERPとRPAの組み合わせによって労働生産性が高めれば、今までにないビジネスを展開できるでしょう。

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ERPを導入していない企業にとってのRPA

前述した通りERPにもRPAにも企業課題を解決するための多くのメリットがあります。その一方でERPを導入することは企業の業務プロセスを統合することが可能になるためRPAを導入する必要がなくなる部分もあるのです。一般的にはERPを導入しても賄えない部分をRPAで対応するというのが主流の考え方ですので、その点を踏まえて両製品をうまく活用できるようにすることが重要なのです。

いかがでしょうか?

ERPとRPAの効果に着目している方は、ぜひその組み合わせにも注目してみてください。

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