会計業務は複雑で作業量も多いため、もっと効率よく処理できないものかと、頭を悩ませている企業は少なくありません。会計では扱うデータが膨大で、しかも計算ミスは許されません。その膨大なデータを、簡単に処理できるように作られたソフトウェアが会計ソフトです。現在会計ソフトはさまざまなメーカーから販売されており種類も多いため、会計ソフトを導入したいが何を選んだらいいかわからない、と悩んでいる企業担当者もいらっしゃるのではないでしょうか。 ここでは、会計ソフトの概要を確認し、会計ソフトを選ぶときのポイントもご紹介しましょう。
会計ソフトとは
会計ソフトは1980年代後半に登場しました。パソコンの値段が下がり、中小企業にも普及してくると、さまざまなビジネスソフトがインストールされるようになりましたが、その中に会計ソフトもありました。それまで紙の上で計算していたものを、コンピュータにデータを打ち込んで計算させる時代に変わっていったのです。
会計ソフトはバージョンを重ねるうちに機能も充実し、法改正に従って内容も変わっていきました。その後クラウド会計ソフトが登場すると、市場は一変しました。
クラウド会計ソフトは、パソコンにインストールする必要がなく、インターネットを経由してどこからでもアクセスして利用できます。やがて利便性を考えてクラウド会計ソフトを導入する企業が増えはじめ、インストール型の会計ソフトを使う企業は徐々に減少していきました。クラウドなら、何もしなくても常に最新バージョンが使えるほか、法改正などの際も自動的に対応してくれるので手間がかかりません。また、客先で急に会計データが必要になった場合でも、すぐにアクセスして必要なデータを取り込めるのは、クラウドならではのメリットです。
会計ソフトを使うと、経理に詳しくない人でも仕分けなどの処理ができてしまいます。少し知識がある程度で会計処理ができるのは、やはり画期的といえるでしょう。
会計業務は管理会計と財務会計に分かれます。それぞれの役割について見てみましょう。
管理会計
管理会計は、企業の経理状況をまとめて、社内で使うための会計データです。新規事業計画や事業の経営状況を把握するために必要な会計データで、多くの場合企業独自のフォーマットでデータを作成します。そのため、管理会計に使用する会計ソフトは、その企業に合うようにカスタマイズする必要があります。管理会計データの作成は、会計ソフトを導入する前はかなりの手間がかかっていましたが、ソフトを使えば1時間くらいで作成することが可能です。
財務会計
財務会計は、会計情報をまとめて、取引先や株主などに開示するための会計データです。最終的にはデータを決算報告書としてまとめ、貸借対照表や損益計算書なども作成するため、法規制に従って行うデータ作成となります。
このように、同じ会計といっても管理会計と財務会計では、まったく内容が違います。会計ソフトによって、管理会計に適したソフトと財務会計向きのソフトがありますので、どのソフトを選ぶかは企業の状況によって変わってきます。
会計ソフトを選ぶときは比較して選ぶ
会計ソフトを導入したいけれど、何を基準に選べばよいかわからない場合は、なぜ会計ソフトが必要なのかを具体的に考えてみるとよいでしょう。 欲しい機能がはっきりしたら、いろいろなソフトを比較することをおすすめします。会計ソフトにもさまざまなタイプがありますので、自社にとって最適なソフトを選ぶためのポイントを紹介します。
インストール(オンプレミス)かクラウドか
会計ソフトには、パソコンにインストールして使うものとインターネット経由のクラウド型があります。費用面では、インストール型は最初にソフト代金を払えばあとの追加料金は不要です。ただし、法改正などにより、定期的にアップデートが必要です。
クラウド型は初期費用が安く導入しやすい反面、利用する規模によって月額使用料が発生します。しかしクラウド型はいつでも最新バージョンが使える上に、法改正などにも自動で対応してくれるので手間がかかりません。しかも、外出先からいつでもアクセスしてデータの入力や閲覧ができます。
操作性
会計ソフトは、企業経営にとって重要な数字を扱うため、毎日長時間使用することになります。そのため、経理担当者にとって使いやすいソフトであることが大切です。また、会計データを入力したり閲覧したりするのは、慣れている会計担当者だけとは限りません。
複数の人が使うこともあるため、慣れない人でも使いやすいソフトを選ぶのが理想です。ほとんどの会計ソフトには導入前に試用期間があるので、いくつか使ってみて操作性を比較してみるといいでしょう。
会計処理以外の機能
会計ソフトには、会計以外の機能も付随している場合があります。
たとえば、給与計算や交通費精算なども同時に管理でき、会計データと連携できるものがあります。また、会計ソフトの機能を包含したクラウドERPも視野に入れることで強い経営基盤を作ることもできます。
コストパフォーマンス
ソフトを選ぶ際は、コストを考慮することも大切です。ソフトの導入によって得られるメリットとコストを比べて、コストパフォーマンスの高い会計ソフトを選ぶようにしましょう。
サポート体制
ソフトの操作に慣れるまでは、サポートに頼らなくてはならない場合もあります。 また、小規模な会社の場合は、専任の経理スタッフを置けないこともあります。会計ソフトのサポートはソフトの操作だけでなく、仕分けなどの業務に関するサポートも受け付けてくれる場合がありますから、自社の状況に合わせてサポート体制がしっかりしているところを選ぶのもよいでしょう。
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会計ソフトの種類とそれぞれの特徴
会計ソフトにはいろいろな種類がありますので、その中からいくつかピックアップしてご紹介しましょう。
MFクラウド会計
MFクラウド会計は、いろいろなサービスと連携して、会計業務にかかる手間を削減することができます。銀行や電子マネー、勤怠管理や人事労務手続きなどの業務と連携して、入力作業の大部分を自動化することができます。AIを導入しているため、機械学習機能によって使っているうちにさまざまなケースを自動的に学習してくれます。そのため使えば使うほど、さらに使いやすくなっていきます。
クラウド会計ソフトですから、客先からでもどこからでも、インターネット環境さえあればアクセスできるため便利です。また、複数の拠点や複数の従業員が同時にアクセスすることもできます。WindowsとMacに対応しており、スマホやタブレットからでも利用することが可能です。
アップデートも自動でしかも無料、常に最新の状態で使えます。会計に関する法令改正や消費税額の変更などにも自動的に対応してくれるので手間がかかりません。また、導入時は必要なサービスだけを選ぶことができます。会計、確定申告、請求書、経費、給与などの中から、顧客の必要とする処理だけを選ぶことができます。
クラウド会計ソフト「弥生会計 オンライン」
中小企業向けのクラウド会計ソフトです。まだできたばかりの法人や、初めて会計ソフトを使う法人向けに開発されており、データ入力から決算まで、中小企業に必要な会計機能をすべて備えています。操作しやすく簡単に使えるソフトなので、入力業務も手間がかからず作業の効率化が図れます。 サポートは経理全般についての相談にも対応してくれます。銀行やクレジットカードなどの明細を自動取り込み・自動仕分けすることができます。会計業務の大半が銀行関連ですから、この機能だけでも大幅な省力化が見込めます。
さらに、学習機能付きなので使うごとに自動仕分けの精度が向上し、使いやすくなっていきます。データは書類や伝票などのテキストデータを直接読み取って取り込むことができるため、作業効率がアップします。
クラウド会計ソフトfreee
クラウド会計ソフトなので、常に最新バージョンの状態で使用することができます。取引先などにいて会計データが必要になった場合でも、スマホやタブレットから簡単にアクセスすることができます。
パソコンで使う会計ソフトは、何らかの原因でパソコンがクラッシュしてしまうと、もうデータを取り出すことはできません。しかし、そういう場合でもfreeeなら、別のパソコンからアクセスできるので安心して使うことができます。
また、freeeには経理の知識がなくても、専門用語がわからなくても使える機能が付いています。さらに、請求書を発行すると自動的に帳簿に記入される仕組みになっているので、記入漏れの心配がありません。
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まとめ
会計ソフトを使うと、会計業務を効率よく行うことができます。検討の際には、まずそのソフトが管理会計と財務会計のどちらの会計に強いのかをチェックしましょう。また、付随機能が付いているソフトもあるため、使いたい機能を兼ね備えているソフトから選択する、という方法もあります。最近は、いつでもどこからでもアクセスして、会計データを入力したり閲覧したりできるクラウド会計ソフトが増えてきています。しっかり比較検討した上で、場合によっては購入前に試用し、自社に最適な会計ソフトをご選択ください。
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