期末棚卸高は期末(会計年度が終わる日)の時点で、在庫として社内に残った資材や商品などの価値の総額を指す。対象となる資材・商品はすべて貸借対照表に計上し、売上原価の計算から外す処理を行う。
具体的には、在庫となる資材や商品の数量に対して、それらの単価を掛け、全体を合計したものが期末棚卸高となる。期末棚卸高は次の年度に繰り越す在庫を資産として金額に換算した数字であり、見方を変えると、今期の期末棚卸高は、次期の期首棚卸高と同じものを指していることになる。
期末棚卸高は会計年度の売上原価を算出するためにも使われる。期首の棚卸高に会計期間中の仕入高を加え、そこから期末棚卸高を引くと売上原価となる。売上原価は、経営の評価や法人税の課税などに大きな影響を与える。
期末棚卸高を出すためには、棚卸により在庫数を確定させることが必要。期末棚卸にあたっては、実際に在庫の数量を数える実地棚卸と、帳簿上で数量を計算する帳簿棚卸の2つの方法がある。また単価については大きく分けて原価法と低価法の2つがあり、さらに原価法は8種類の方法がある。