2層ERPとは、本社と支社とで異なるERPを導入し、それらを互いに連携させながら企業全体を管理する仕組みを指す。本社を管理するメインのものを「コアERP」、支社に導入されるものを「サブERP」と呼ぶこともある。
広い規模で展開している企業にとって、すべての支社や事業所に一貫して同じERPを導入することは必ずしも効率的とはいえない。たとえば、本社と支社とで手がけている事業内容が異なる場合や、本社と同じコストをかけて導入するには支社の収益が低すぎる場合などにおいては、企業内で統一させようとした結果、かえって効率が悪くなってしまうこともある。
こうした中、本社とは別に、支社や事業所ごとに状況に合わせたERPを新たに導入する考えが広まるようになった。その理由のひとつとして、従来よりも手軽に設置できる「クラウド型ERP」の普及が挙げられる。クラウド型はサーバーの購入や定期的なメンテナンスといった手間がかからないため、支社や事業所向けに広く利用され始めている。