勤務費用とは、退職給付見込額のうち、一定期間内の労働に対して発生したと認められる金額のこと。一般的に勤続年数が長いほど退職給付見込額は増加していくが、ある期間内の労働によって退職給付見込額がどれほど増えたかを勤務費用によって示すことができる。勤務費用は損益計算において退職給付費用として計上される。
退職給付は、退職時や給料支給時に一時的に発生するわけではなく、勤務期間内の労働の対価として支払われるため、給与が発生する各期間に配分して毎期の費用として計算しなければならない。この計算から算出された各期への配分費用が勤務費用にあたる。そして、勤務費用は残存勤務期間などを考慮した一定の割引率に基づいて退職給付見込額から割引計算することで算出できるため、今後発生する退職給付金額とその支給時期を予測し、当期に生じた金額を現時点での価値に割り引けばよい。
企業年金制度に加入していて、かつ従業員からの拠出がある場合は、勤務費用から所定の拠出金額が差し引かれる。