退職給付債務

 2019.05.17  クラウドERP実践ポータル

退職給付債務とは、一定の期間にわたり労働した従業員に対して、退職後に支払われる退職金・退職年金のうち、当期末までに発生していると認められる金額のこと。従業員に対する退職給付の支払い義務を、現在価値で評価したものともいえる。

退職給付債務は、退職時の退職給付見込額のうち、一定の割引率及び予想される退職時から現在までの期間に基づいて、割引計算により求められる。この割引計算では、割引率・退職率・死亡率・予定昇給率の4つの基礎率を用いて導き出す。また退職給付債務の算定プロセスには、「期間定額基準」と「給付算定式基準」という2つの算定プロセスがある。しかし実際の計算は非常に困難なため、専門家によって行われる。

2001年3月期からは、退職給付債務と年金資産等との差額を、貸借対照表に退職給付引当金として計上することが義務付けられた。
ちなみに退職給付債務は、米国会計基準では予測給付債務(PBO)、国際会計基準では確定給付制度債務(DBO)と呼ばれている。

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