実現主義とは、商品やサービスの販売を代金や等価物として実際に得て、売上高に計上するという会計学の考え方。一方、現金の受け取りや支払いの有無とは無関係に、取引が発生したという事実をもとに収益を計上する基準のことを発生主義という。
実現主義は商品やサービスを顧客に引き渡し、その対価として現金などの貨幣資産を受け取った時点をもって収益に計上する。発生主義は実現していない利益が計上されてしまうという欠点があるが、実現主義は確実性のある収益のみを計上するため、発生主義の欠点を補うことができる。そのような点から、原則的に企業会計は収益の計上について実現主義で行うことが推奨されている。
実現主義は、貨幣資産の取得という資金的裏付けを有するため、会計の信頼性が高くなるというメリットがある。しかし、金融商品の価格変動に対応しきれなかったり、商品の仕入れや管理、または販売や販促といった企業活動などのプロセスについては一切の考慮がなされないといったデメリットもある。