パーチェス法は、企業が合併などで統合された場合に使われる会計処理の方法で、双方の企業の純資産と買収金額の差額を算出し、その差額を「のれん」として計上することを言う。企業の統合において、両者の資産を単純に合算することをプーリング法と言うが、国際会計基準ではこのプーリング法が禁止される傾向にあることから、現在ではパーチェス法が国内でも一般的に採用されるようになっている。
パーチェス法では、合併される側の会社が保有している資産と負債がその時の市場価格で評価され、合併する側の会社へと引き継がれていく。たとえば、資産の中に有価証券があった場合、取得した時の市場価格(簿価)と、現在の市場価格(時価)には差がついている可能性が高い。プーリング法では、有価証券を簿価のまま単純に合計するが、パーチェス法では、時価で購入するというかたちを取る。その際に生じた簿価と時価の差額を「のれん」と言う。のれんは無形固定資産で、20年以内に規則的に償却されていくことになっている。パーチェス法は、合併される側の企業が持つ資産価値を、より正しく評価できる方法だと言える。