企業の目的は利益を出す、経営を黒字にしていくことであり、そのために目標を立て、計画的に収支を管理していくことを利益管理と言う。利益管理は、利益計画と利益統制から成り立つ。
利益計画とは、売上高を予測して来期にあげるべき必要利益を設定し、それを達成するために必要な収益と費用を計画することを言う。売上と費用は必ずしも比例関係にあるわけではないため、売上、固定費、変動費などを元に損益分岐点を探る必要がある。この損益分岐点を元に利益目標を決め、利益計画は作られる。
一方、利益統制とは利益計画を実現するために行う統制のことを言う。利益統制には、目標売上高、目標限界利益率、実績売上高などが比較できる変動損益計算書を用いる。計画と実績に差異があれば原因を分析し、今後の見通しを立てていく。利益計画は、企業成長に欠かせない研究開発や人材育成などを総合的に含んだ経営計画の一つととらえる必要がある。
そのため、販売・生産活動だけでなく、投資活動、資本調達活動など多角的側面からとらえ、利益統制はされなければならない。企業の財務担当者は、常に期初に計画した利益が達成することができるか把握しておく必要があり、そのためにも利益管理は重要となる。