役員賞与は、会計の勘定科目で使用される費目で、企業が役員に対して払う報酬のうち、通常の給与とは別に臨時で支給されるものを指す。ただし、退職に伴う給与はこれに含まれない。また、現金による支払い以外に、通常よりも安い金利や無利息で貸付を行った場合も、その差額に相当する金額が経済的な利益とみなされ、役員賞与として計上されることもある。
役員賞与は企業があげた収益の一部を報酬として還元するもののため、従業員への賞与や、株主への配当金などと基本的には同じものとして扱われる。ただし、一般の賞与のように取締役会などの一存で決めることはできず、株主総会や社員総会などで承認を受ける必要がある。
また、役員報酬については税法上の損金となるが、役員賞与の場合は損金とはならず、法人税の課税対象となる。これは、報酬が業務の対価として生じる費用とみなされるのに対し、賞与は収益の向上によって生まれた利益の処分と判断されるため。これを回避するには、あらかじめ税務署に届け出をしておく必要がある。