時価ヘッジ

 2019.05.17  クラウドERP実践ポータル

時価ヘッジは、デリバティブ取引において適用される会計方法のひとつ。ヘッジ会計では、実際の手段(取引)で発生した損益や評価との差額を、実際に対象にかかる損益が確定されるまで純資産に繰り延べる「繰延ヘッジ」が一般的に採用されている。それに対して時価ヘッジでは、資産や負債などヘッジを行う対象の現時点での評価を損益に組み込み、手段にかかる損益とあわせて同じ会計期間で認識することができる。

日本では有価証券に関して、売買以外の方法による損失を減らすためにデリバティブ取引を用いた場合、その結果を該当年度の損益金として計上することが定められている。その際、取引前の資産や負債に対しても市場の時価などから損益を計算できる場合、実際に行った取引の損益とまとめて同じ年度の損益金として計上できる。

こうした時価ヘッジの採用にあたっては、有効性に関する判定を的確に実施し、それが有効であるという結論を得なくてはならない。有効性は、デリバティブ取引等によって生まれた損益を評価額で割ることで判定され、100%に近い場合は有効となる。

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