株式公開とは、自社の株について一般の投資家による売買を可能にすること。それまで会社関係者によって所有されていた制限的な株式を、自由に譲渡できるようにする。これには証券取引所にて一定の審査基準をクリアする必要がある。
一般の投資家とは、個人に限らず機関投資家や海外の投資家も含まれる。株式を公開することで上場企業となり、事業内容や財務状況などの情報について定期的に公開することが必要となる。さらに株式公開前は経営者として自ら会社を営んでいた立場から、公開によって株主に委託されて運営をする立場へと責任が変化し、社会的信用は大きく高まる。そのため資金面では安定を図ることができるようになる。さらに上場によって知名度が上昇し、従業員の士気が上がり、生産性の向上が期待される。新規採用の際にも優秀な人材の確保がしやすくなるというメリットもある。
ただし、日々変化する株主関係書類の作成などの仕事量が増えるためにコストがかさむことや、会社法、金融商品取引法、取引所規則などの法令を遵守することが一層大切になること、インサイダー取引についても十分な理解が求められることなどにも注意が必要。