棚卸(たなおろし)とは、在庫数を調べ、その総額を算出することを指す。売上総利益は売上高から売上原価を引いたものであり、売上原価は(期首棚卸高+当期仕入れ高-期末棚卸高)の計算式によって導かれる。
そのため棚卸の作業は、会社の利益を確定するうえで重要な意味をもつ。在庫の数量を管理することで、資金繰りやコストダウンなどの経営判断にも役立つ。したがって、棚卸資産の把握は決算期末だけでなく、期中や期首にも適宜行うことことが大切となる。
棚卸の際には、棚卸表を作成する。棚卸表は確定申告において提出が求められる重要な書類であり、7年間の保存が定められている。また欠損金が生じる場合は、帳簿書類の保存期間が10年に延びることもある。
棚卸表の作成方法には、実際に在庫商品をすべて確認してリストアップする実地棚卸と、商品などの出入りのみをその都度記載する帳簿棚卸の2種類がある。後者は手間がかからない反面、記載漏れなどによる齟齬が生じやすい。そのため、最低でも決算期末には実地棚卸を実施することが望ましい。