個別対応とは、ビジネスシーンにおいて利益とコストの関係を直接的に確認する手続きを指す。例えば、商品の販売は日々の仕入価格と売上価格を把握できるため、「個別対応が成り立っている」と表現される。
個別対応方式の会計は、収益や税金を計算するために用いられ、仕入れにかかる消費税額を「課税される売上に対する仕入れの消費税」「非課税の売上に対する仕入れの消費税」「双方に共通する仕入れの消費税」に分類し、個別に算出する必要がある。そのため、一括比例配分方式などのシンプルな計算に比べると事務の負担は大きくなりやすいが、正確な納税ができるので会社全体の利益にはつながりやすい。
特に学校法人や医療機関などの事業用賃貸物件は、事業用賃貸物件の取得に必要になった消費税額は全額控除ができるため、一括比例配分方式で計上してしまうと控除金額が大幅に低くなってしまう。このように課税売上割合の低い事業では一括比例配分方式と個別方式の選択が節税の鍵となることがある。