減損会計

 2019.05.17  クラウドERP実践ポータル

企業が所有する事業用固定資産の収益性が当初の予定を下回り、その固定資産への投資に見合ったキャッシュフローが見込めない場合に、資産の帳簿上の価値(簿価)を回収可能な金額まで引き下げる会計処理のこと。

2003年に企業会計審議会より「固定資産の減損に係る会計基準の運用指針」が公開され、適用が義務付けられた。減損会計の対象は土地や建物、機械などの有形固定資産、特許権、営業権、ソフトウェアなどの無形固定資産、投資有価証券など、あらゆる資産が含まれるが、一般的には有形固定資産を指すことが多い。継続的な赤字、資産価値の大幅な下落、経営環境の悪化などの兆候が見られた場合に、減損会計処理を行う。

減損会計処理は減損兆候の把握、減損の認識、減損の認定という3段階で進められる。減損会計はあくまで資産評価額が下がった際に行う処理であり、資産評価額が上がったとしても増額処理などは行わない。減損処理には、業績が改善する可能性がある一方、計上した当該期の経営成績が悪化し、投資家に投資が失敗したというマイナスの印象を持たれる場合がある。

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