横割型は、すでに退職一時金制度を取り入れている企業が、企業年金制度へ移行する際に取りうる形態のひとつ。退職一時金制度は、従業員が退職する際に支払う金銭を会社の中で積み立てておき、定年時や自己都合退職時に一時金として支払う制度を指す。しかし、実際に退職が発生した場合は退職一時金制度だけではなく、企業年金制度からも給付ができるため、企業年金制度の導入に際して、状況に合わせた運用が可能になる。
横割型は、退職一時金のなかで一定の割合を退職年金制度に移し、残りの部分については従来の退職一時金制度をそのまま残す形態で、得られる一時金は勤続年数が長いほど高額になる。金属年数を横軸、得られる金額を縦軸にしたときの図が、年金部分と一時金部分が2階建てのように横に割れるため、横割型と呼ばれている。別途新設または上乗せ型といった移行形態と比較して、労働者は退職一時金制度と企業年金制度の双方から一定の割合で給付を受けるため、金属年数によって急激に給付金額が上がることはない。