無償減資

 2019.05.15  クラウドERP実践ポータル

無償減資とは会社の純資産ではなく会社の資本金額を下げる行為で、名目的減資とも呼ばれる。有償減資が減資分を株主に配当するのに対し、無償減資は配当に回すことなく、貸借対照表法の勘定科目の数字を組み替えるのみに留まり、会社の純資産に動きはない。また、資本の減少額は減少させる効力発生時点の利益余剰金の損失額を超えてはならない。減資分をその他資本剰余金に振り替える方法と、減資分を欠損補填に充当する方法がある。

無償減資を行う主な目的は資本金を減らすことで納税額を減らす、会計監査人設置義務を避ける、事業再生などで、無償減資によって会社法の規定で資本金5億円以上の会社に義務付けられた会計監査人の設置を避けることもできる。また、事業再生中の会社は欠損を計上するよりも減資した方が、財務健全化後の利益配当がしやすくなる。株価の維持に役立ち、新株発行の増資も容易になるため、財務内容を改善し、会社を立ち直らせるなどの目的で利用される。無償減資の手続きは株主総会で行い、欠損補填のための減資は定時株主総会の普通決議で可能。

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