前期損益修正とは、前期もしくはそれ以前に行った、企業の損益計算における会計処理について修正を行うこと。修正が行われる代表的な処理項目としては、過年度における負債性引当金や、特定引当金・減価償却の過不足修正額、棚卸資産評価の訂正額,償却債権の取立額などが挙げられる。
前期損益修正は、主に前期またはそれ以前に計上した損失や利益について、記入漏れをはじめとした経理上の誤りを修正するもののため、当期における企業活動による損益とはまったく無関係とされる。さらに経理の実務上、株主総会で一度承認された決算書は、過去にさかのぼって修正することはできない。したがって前期損益修正によって確認された損益に関しては、経常損益計算としてではなく、特別損益計算として、損益計算書にその旨を記載する必要がある。
また、修正において確認された利益は前期損益修正益、損失は前期損益修正損と呼ばれる勘定科目を用いて表記される。しかし、毎年、損益計算書に修正科目を載せるのは、第三者に良い印象を与えないため、経理上好ましくない。