資本の評価基準とは、企業が保有している資産の総額を算出するための基準を指す。評価基準には複数の方法があり、用いる基準によって評価額が変化する。貸借対照表に記載される資産の額だけでなく、損益計算にも大きな影響を与えるため、資産ごとに的確な基準を用いる必要がある。
評価基準の多くは原価基準か時価基準のいずれかが用いられるが、その他に現在価値基準、公正価値基準という基準もある。原価基準は資産を購入したときの金額を基準にして評価される。すでに確定された費用であるため客観性や確実性がある一方、現在の時価との差(含み益・含み損)が反映されないというデメリットがある。
一方、時価基準は、その時点での市場価格を基準に評価するため、有価証券など価格の変動が大きな資産で採用される。当該時点で資産を新たに購入する場合の価値を用いる再調達原価主義と、その資産を売却した場合の価値を用いる売却時価主義がある。時価基準は当該時点の現実的な財政状態が分かる半面、あくまで見込みの価値となるため確実性に欠ける部分がある。