持分プーリング法は、企業が合併などの対等な関係で統合し、資産や負債に関して持分の結合を採用した場合に適用される会計処理の手段のひとつ。両社の資産や負債を帳簿価額のまま引き継ぐ手法のことを言う。
対等な統合では、どちらの企業も相手の企業を支配する関係にはならず、また収益やリスクを互いに共有するために、それらをひとつの報告単位に結合する。持分プーリング法では、両社の資産や負債を、帳簿価額を用いて、統合後の会計に引き継いでいく。それに対し、資産や負債を市場価格で評価替えして引き継ぐ手法をパーチェス法と言う。
持分プーリング法は、パーチェス法と比べて合併後に利益が出やすく、簿外資産も発生しやすいなどの特徴がある。また帳簿価額を採用することから、国際財務報告基準や米国基準では、会計基準のコンバージェンス(相互に比較可能な会計基準)に関して問題があるとされ、パーチェス法に一本化されている。それを受けて日本でも平成20年に「企業結合に関する会計基準」が改正されて、現在では廃止されている。