繰延税金資産とは、将来的に課税所得が減算されることにより回収される税金を指す。貸借対照表には、資産として計上される。繰延税金資産は「税効果会計」の一つであり、企業会計における「資産」または「負債」と、税法における「資産」または「負債」との差額を調整するための勘定科目のことを指す。先に払った税金がいずれ戻ることを想定して、過払い分の税金に相当する金額を貸借対照表の資産欄に記す。 前払いをした税金をいわば「資産」と考えて、自己資本に繰り入れている。
ただし、繰延税金資産は、将来、課税所得が黒字となり、税金を支払える状況にならなければ使用できない。計上できれば、その分、資産は増えるが、税金で支払えないほどの額を計上してしまうと、企業の信頼性に影響が及んでしまう。そのため、将来の課税所得の見積もりは、合理的かつ適正に計上することが求められる。
繰延税金資産として計上できる上限額は、今後5年間で見込まれる利益の累計額に約4割の実効税率をかけた金額と定められている。