当期業績主義・包括主義とは、損益計算書に記載する費用や利益を算定するときに用いる考え方のこと。当期業績主義は、企業の当期における経常的な収益力を明らかにすることを目的とした考え方を指す。当期業績主義においては企業の正常な営業活動にともない、毎期反復的に生ずる費用及び収益のみを損益計算書に示す必要があるため、特別損益項目は除外され、期間外損益として利益剰余金計算書に記載する。
一方、包括主義は、当期に生じた純資産において、臨時損益及び前期損益修正項目を含めた増減項目のすべてを示すべきとした考え方を指す。包括主義では企業の収益力を、経常損益と特別損益の合計をある期間比較することで正しく把握する必要があるため、特別損益項目も含めた当期純利益を損益計算書に収容しなければならない。ただし、資本取引や利益処分は除外される。これを行うことで、処分可能利益を把握できる。1974年の企業会計原則の改正において、損益計算書は基本的に包括主義を用いることとなった。