債権とは人に何かしらの義務を課し、その義務に基づく履行を請求する権利のこと。
例えば金銭の貸し借りにおいて、貸した者が借りた者に対してその金銭の返済を求める権利が生まれるが、この権利が債権にあたる。債権を行使し得る者を債権者、債権に対応する債務を持つものが債務者となる。
他に、不動産の賃貸借契約において不動産の引渡しを請求する権利も、不法行為に基づく損害賠償請求権等も債権に含まれる。また、一定の行為を求める権利であるため、何もしないこと(不作為)を請求する内容でも債権と言える。ある契約を結んだことを口外しないという約束では相手方に不作為債務を負わすことになる。
このように債権自体一定の行為を請求する権利のためその言葉が使われる範囲は広いが、金銭の請求に関する債権であるケースも多く、重要な財産権のひとつとされる。
債権は人に対する請求権であるという点で物権(物に対する支配権)と異なり、当事者間で結ぶ契約によって自由に発生させられるという特徴も持つ。