原価基準

 2019.05.15  クラウドERP実践ポータル

原価基準とは、取得する際にかかった原価で資産を評価するための基準を指す。資産の取得にかかった原価は取得原価と呼ぶ。

一般的に原価基準は、棚卸資産などの費用性資産の計算に用いられる。費用性資産とは、将来的に費用化される売上原価や減価償却費などの資産を指す。費用性資産に当てはまるものには商品・製品、前払費用、建物、機械、備品、無形固定資産などがある。ただし、償却資産に関しては、減価償却の累計額を取得原価から差し引いた金額で計算する。

原価基準は、元をたどると日本企業で慣行的に行われてきた原価計算の中から一般的に妥当と判断されたものをまとめたもので、現在においても実践規範となっている。しかし、この原価基準は1962年の大蔵省企業会計審議会が発表したもので、今までで一度も改正されていない。原価基準は、費目、部門別原価計算がベースになっているが、サービス部門の必要性が増している現代では、企業ニーズに合致しているとは必ずしも言えないため、改正や見直しを求める意見がある。

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