建設業会計は、建設業界独自の会計システムを指す。一般的な会計と大きく異なる点は未成工事支出金勘定を扱う点にある。建設業は着工から竣工まで長期にわたるため、売上計上の時期や期間中での処理方法の性質が他の業界とは違う。工事終了前に受け取る工事代金を「売掛入金」として処理しない点にも留意が必要。
また、建設業会計では通常の会計処理ではまず使用されない製造会計を使用する。これは物を作るときに必要な材料費・外注費等を勘定科目で仕訳する。例えば、家の建築において木材・断熱材は材料費、木工事施工する大工の工賃は外注費と呼ぶ。
しかし、外注費として計上できるのは住宅建築の竣工後であり、施工中は「未成工事支出金」として処理される。工事完成基準を用いる場合は、竣工後に売上計上と経費計上が可能になる一方、施工途中でも進歩状況に応じて売上計上と経費計上を処理する工事進行基準もある。工事の請負代金が10億円以上で、工期が1年以上にわたる場合は工事進行基準の選択を余儀なくされる。