監査役設置会社とは、その会社の機関として監査役を具備した会社のことを言う。ただし監査役の権限を会計に限定した場合には監査役設置会社とは呼ばない。
権限を限定されない監査役は、基本的に取締役等が不正行為をしないように見張るなど、会社の経営をチェックする機能を持ち、法令違反や定款違反を発見した際に違反を是正するように働きかける。また、監査役を設置することで、会社と取引をする相手方や会社債権者、株主等に対して一定の信頼を保つことができる。監査役に与えられる権限は大きく、取締役・会計参与に並んで会社法における役員の一端を担う。
原則監査役を設置するかどうかは会社の自由とされているものの、株式の譲渡に制限のない公開会社では設置が義務とされていることや、逆に委員会設置会社では設置することができないなど、ルールが厳密に定められている。監査役を設置することで内部不正を見抜ける可能性がある反面、監査権限が監査役に託されることから株主の監査権限については制限される。