現金主義

 2019.05.15  クラウドERP実践ポータル

現金主義とは、会計の概念の一種。現金の授受があった時点で費用と収益を認識し、計上する会計原則を指す。現金の受け渡しが起こった際に計上するため、記帳しやすい・会計の不正が起こりづらいという利点がある。
しかし現代では、信用取引が発達したことにより、現金の収支と物が消費されるタイミングにずれが起こるようになった。現金主義では、前払いや後払いの場合でも、現金のやり取りをした後に記帳するため、会計の反映にタイムラグが発生し不都合になる。また、信用取引を扱えないため、財務状況を正確に反映することに難がある。これらの理由から、現代において現金主義はほとんど使われておらず、発生主義会計による計上が一般的となっている。
特に企業会計では、正しい財務会計を表すのが困難なため、現金主義による計上は認められていない。収益認識には実現主義、費用認識には発生主義による記帳が採用されている。
ただし、現金取引が多い小規模事業者の場合は、現金主義が今でも採用されていることがある。

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