手形売却損は、会計の勘定科目で使用される費目で、定められた日付が来る前に手形を決済し、現金化することで生まれる割引料のことを言う。
もともと受取手形には、支払う現金の金額と、それを決済すべき期日が記載されている。しかし、手形には、その日付を待たずして現金化することが認められている。その場合、手形に記載されている金額と、実際に受け取る金額の間には、若干の違いが生まれる。具体的には、満期日までの利息に相当する金額が額面の金額から差引かれる。受け取れる金額は減ってしまうが、キャッシュフローの関係上などの理由で、すぐに現金が必要な場合は、期日を待たずに銀行などに持ち込み、決済する必要がある。そこで生まれる差額のことを割引料と呼び、会計においては営業外費用として仕分けられ、勘定科目においては手形売却損として計上される。
割引料は、支払利息と同じく利息計算が関わることから、以前は支払利息割引料としてまとめるケースもあったが、現在では別々に分けて、手形売却損として計上するのが一般的となっている。