ABCとは、Activity Based Costing(アクティビティ ベースド コスティング)の略で、活動基準原価計算のことを指す。ABCでは間接費をできるだけ生産活動に沿って配賦することで、製品にかかるコストをより正しく分析することを目的としている。
以前の原価計算では、製品と明確な関係がない間接費を、作業時間や労務費の割合に基づいて配賦していた。製造数が少なく直接費の割合が多かった時代には、この計算方法で大きな問題にはならない。
しかし、近年では製造工程の機械化が進み、一つの工場で多様な製品を少量ずつ製造している。それに伴い、減価償却費や工場の光熱費などの間接費が増加した。そのため以前の方法では間接費の配賦にズレが生じ、正しい原価が把握できない。
ABCでは、まず各製品を製造する過程で生じる活動を把握し、その後発生した費用を適切な基準で集計、該当する活動にそれぞれ配賦する。以前の計算方法とは異なり、細かく集計することで無駄なコストが発見でき、費用削減の効果も期待できる。